こんにちは、ライターのシノヅカヨーコです。

突然ですが、みなさんは「マタニティマーク」についてどんなイメージが浮かびますか?
「妊婦とぽっちゃりの見分けがつきやすいのでOK!」というひともいれば、「電車内で座席を譲れと言っているように見えて図々しい」と思うひともいるかもしれません。

筆者はマタニティマーク、大いに賛成です。

自身の妊娠を振り返ると、初期はつわりで二度入院、後期は切迫早産で三度入院とトラブル尽くしの日々でした。

それからというもの、電車内で妊婦やマタニティマークを見かけると、席を譲らずにはいられません。

今回は、妊婦を守る「マタニティマーク」の必要性を改めて考えていきたいと思います。

伝え忘れたことば…東京新聞の記事が話題に

乗客がまだ半袖シャツを着ていた九月。東京農大一高の教諭長田道弘さんは、座席で本を読んでいた。乗り換えの一つ前の駅。乗ってきた二十代ぐらいの女性が前に立った。

バッグにぶら下げたマークが目に入る。「おなかに赤ちゃんがいます」。席を譲ると、女性は申し訳なさそうに座った。翌日も同じ駅で女性は乗った。「どうぞ」「すみません」。それが毎日続いた。

出典2014年12月22日東京新聞朝刊より

大きくなっていくおなかを見て、「座らせてあげないと」と使命感が芽生えた。確実に席をとれるよう、少し早起きをして、電車が到着する五分前にはホームで待った。乗客がコートを羽織るようになった今月一日。普段通り席を立つ長田さんに女性は行った。

「今週で産休に入ります。これまで、ありがとうございました」。手作りの焼き菓子をプレゼントされた。

出典2014年12月22日東京新聞朝刊より

長田さんが「伝え忘れたことば」とは、「出産、頑張って」の一言でした。

男性教諭と妊婦のエピソードはtwitterでも話題に…!

妊産婦にやさしい環境を…と生まれたマタニティマーク

出典 http://www.mhlw.go.jp

マタニティマークは、厚生労働省が平成18年に「妊産婦にやさしい環境づくり」を推進する事業の一環としてつくったものです。

妊娠初期は、赤ちゃんの成長はもちろん、お母さんの健康を維持するためにもとても大切な時期です。しかし、外見からは見分けがつかないため、「電車で席に座れない」、「たばこの煙が気になる」など妊婦さんにはさまざまな苦労があります

出典 http://www.mhlw.go.jp

おなかがまだ出てこない妊娠初期ですが、妊婦のからだは日々変化しています。またつわりが出やすいのもこの時期です。立っているのが辛いほどの貧血を起こす人もいます。

・ 妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。

・さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関等が、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するもの。

出典 http://www.mhlw.go.jp

外見からは妊娠がわからない…「妊娠初期」はこんな時期

個人差はありますが、おなかが出てくるのは妊娠四ヶ月の終わりごろでしょうか。
他人から見てわかるほど出てくるとなるとさらに先です。見た目には妊娠がわからない時期ですが、妊婦のからだは大きく変化しています。

ただの吐き気…と侮ってはいけない「つわり」

つわりといっても人によって症状の重さはさまざまです。

特に何の吐き気も催さないひともいれば、母子ともに危険な状態に陥るような重いつわりだって存在します。「あのひとは常に食べているからつわりじゃないでしょ」と思いきや、常に食事を摂っていないと吐き気がしてしまう「食べづわり」なんてひともいます。

つわりも酷くなると入院が必要な場合も…

筆者は重いつわり「重症妊娠悪阻(じゅうしょうにんしんおそ)」の経験者です。

「食べ物を食べていて急に吐き気が込みあげる」タイプではなく、常に「泥酔した翌日のような吐き気」がありました。

おなかの子に少しでも栄養が行くように…と、吐き気に耐えて食べ物を口に押し込み、吐いてしまうのをこらえながら「1…2…」と、1秒でも長く胃に留めておけるようにカウントをとっていたのをよく覚えています。

結局、食事はおろか、水を飲んでも胃にとどめておくことができず、ついには脱水により尿さえ出なくなりました。つわりのあったおよそ一ヶ月という短い期間で、落ちた体重は12キロ。

短期間のうちに、一週間ほどの入院を二度繰り返し、出産間際まで働くつもりでいた職場を辞めざるを得ませんでした。

妊娠を継続するために安静生活が必要になる切迫流産

妊娠初期は、子宮から出血したり、おなかが張ってしまう「切迫流産」に陥ってしまうひとも少なくありません。

流産といっても、実際にはおなかに赤ちゃんは生きている「流産しかけている状態」を指します。「切迫流産」と診断を受けた場合は極力安静にする必要がありますが、「引き継ぎもあるし急に仕事を休むのは難しくて…」と悩む人も少なくないと思います。

座り仕事だからと職場へ向かうにしても、電車に揺られている間にずっと立っていたらそれは安静とは言えません。

働く女性が増えれば、電車を利用する妊婦だって当然増える

出典www.pakutaso.com/20130443106post-2638.html

妊娠初期がそんなにデリケートな時期なら、引きこもっていればいいのに…と思うひともいるかもしれません。

しかし、女性の社会進出が当たり前に行われているいま、働く妊婦は決して少なくないのです。

妊婦になっても働く理由のひとつは、産休制度の利用のためです。労働基準法上、産休制度を利用できるのは「出産予定日の六週間前」。

※双子以上の妊娠や早産の場合など、状況により異なります。

出産予定日の六週前というと、もうすっかりおなかが大きくなってきたころです。大きなおなかを抱えて通勤電車に揺られるという光景は、もはや珍しい光景ではありません。

また「妊娠を機に退職」なんて場合も、妊娠が判明した即日に「今日で会社辞めます!」と退社するわけにはいきませんよね。当然引き継ぎも必要になりますし、後任が決まるまでのあいだの数ヵ月は働くというケースも珍しくないでしょう。

結局は、電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤している女性が妊娠した場合、必ずといっていいほど妊婦として公共交通機関を利用することになるのです。

マタニティマークをきっかけに「声かけ」をはじめよう

マタニティマークをつけて、周囲へ配慮を求めることは決して図々しいことではありません。

おなかにいる子を守るためにも、必要なことだと思います。しかし、マタニティマークには何の強制力もありません。

「配慮」や「親切」は、誰かのやさしさによってはじめて生まれるものです。
やさしさは、強制ではありません。「譲ってもらえなかった!」と嘆くまえに、体調が悪いのなら自分から声をかけましょう。

また、「優先席で優先されるべきひとに席を譲る」なんて本来は当たり前のことです。
目の前の妊婦に気づかないふりをして優先席でスマホいじり…なんてそれこそ「図々しい」と思いませんか。

いま、この社会に必要なのは「声をかける勇気」です。

たったひとこと「席、譲っていただけませんか」と声をかける勇気。「こちらへどうぞ」と声をかける勇気。

見知らぬひとへ声をかけるのって、なかなか難しいことですよね。そんなときにマタニティマークが目印になるのなら、互いに声をかけるハードルはぐっと下がります。

もし、電車やバスのなかでマタニティマークをつけた女性を見かけたら、声をかけてみませんか。

あなたのやさしさが、一人の女性とおなかの子どもを守ることにつながるかもしれません。

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家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らし。 育児、暮らしにまつわるネタを中心にライター業をしています。お酒とチョコレートが大好き。

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