アメリカでは著名な人類学者グローバー・クランツ博士。彼は若かりし頃クライドという犬を飼っており、その犬を溺愛していたという。クライドが死んだ時彼は学者らしくある行動を起こす。そして彼自身に死期が迫った時、ある決断をするのであった。

アメリカでは著名な人類学者グローバー・クランツ博士

出典 http://wsm.wsu.edu

米ユタ州出身のグローバー・クランツ博士(1931~2002)は、初めてビッグフットを学術的にきちんと調査したことでも知られている。サスカッチ(北米版イエティ、雪男)の存在を信じ、サスカッチ・ハンターとして野山を歩き回り、サスカッチ本も出したり、どこまでも学者の枠をはみ出した個性派です。

そんな彼のもう一つの顔は「愛犬家」だっという事。

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クランツは30代のある日、一匹の大型犬「クライド」を飼い始めます。クランツはどこへ行くにもクライドと一緒。クライドは彼にとって「息子にもっとも近い存在」というほど特別な存在だったようです。

しかしクライドはやがて死んでしまう。博士は学者らしくクライドを骨格標本にする。

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そのクライドが亡くなると、クランツは人類学者らしく、クライドを骨格標本にする事を決意。しかし長年愛したクライドを掘り起こし標本にする事は大変辛い事であった。しかし彼は酒を飲み、泣きながらクライドの亡骸を掘り起こし、それを標本にした。

やがて年老いた博士自身も病に蝕まれる。そんな博士の最後の願いは...。

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博士は死の直前、スミソニアン博物館の人類学者デイヴィッド・ハントにこう言った。「生涯、教師だったが、死んでからも教師でありたい。だから献体し私自身を標本にして欲しい」と。ハントが同意すると、彼はさらに続けた。「ただし、条件がある。かつて愛したクライドと一緒にということだ。」

そして博士の願いは叶った

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クランツ博士の死後、葬儀は行われず、彼の遺体はテネシー大学に献体として送られ、科学者たちが遺体が腐敗していく過程を研究した。これは法医学調査の手助けとなった。その後、クランツ博士とクライドは、スミソニアンのキャビネットに一緒に入れられた。二人のその姿は若かりし頃の写真(上記)を参考に展示された。

骨になっても再会したクランツ博士とクライド

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スミソニアン自然史博物館で2009年より開催されていた、「17世紀チェサピークの法医学ファイル」という展示会。クランツ博士の骨格はそれから二年間展示された。

「世界一幸せそうな骨格標本」

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表情など無いはずなのに笑っているように見えるクランツ博士とクライド。彼は愛犬と共に、あの世からこの展示会の様子を見てたであろう。そして自身が死して尚、研究・教育に貢献できた事、再びクライドと抱き合う事に喜びを噛み締めたことであろう。

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