ジャーナリスト・佐々木俊尚さんが『仕事するのにオフィスはいらない』で提唱した「ノマド」は「遊牧民」を表す言葉です。遊牧民的仕事スタイルを意味するノマドワーカーは、電源のあるカフェで仕事をし、場所や時間に縛られずに仕事をサクサク進めよう、という考え方です。そんな中、「カフェノマドは古い!」と主張するのがネットニュース編集者の中川淳一郎氏です。

同氏は「居酒屋ノマド」こそ今の時代の労働者に求められるワークスタイルである、と主張します。一体なぜでしょうか。私、フリーライターのセルジオ苺が取材してきました。

案外安い

出典セルジオ苺

昨今渋谷のIT系から話題の居酒屋「やまがた」。ここでは、カウンターで一人ノマド仕事ができます。スーパードライの大瓶が500円×2、お通しが210円、この日は贅沢してゴボウサラダ(400円)を頼みました。1610円で約1時間半、ほどよく酔え、ちびちびとおつまみをつまむと、仕事の効率も上がります。

ちなみに無職の大川竜弥氏がこの店でノマド仕事をする時は大瓶+お通し+冷奴(150円)の「無職セット」(860円)で済ますそうです。

無駄な「オレ仕事できるぜアピール」がない

ノマドカフェの場合は、結局「デキるオレ」アピール合戦の側面があります。しかしながら、居酒屋には基本的に酔っ払いがガハハハハハと言っているだけで、他のライバルノマドがいない。「こんなところで仕事するなんて変わったヤツだな」と思われる程度で、わざわざ忙しそうに電話をかけたり、「カチャカチャカチャカチャ、タタタタタタタッーン」と高速タイピングから高速Enterボタン押しというコンボをせずとも、誰もあなたのことを気にしていないのでマイペースで仕事ができるのです。

案外色々な情報が入ってくる

ノマドカフェではシーンとしていることが多い。だとすると、時々耳に入ってくる面白いネタというのがない。先日、私が某居酒屋で仕事をしていたら、60歳過ぎくらいのオッサン4人が徹底的に自分達の学歴がいかに優れているか、という話ばかりしているのですよ。

某国際貢献関連施設の関係者も入っていたようですが、どうやら、60歳過ぎて外部に左遷された無能のオッサンでも750万円もらえると言っていました。「マジかよ、オレは600万円しかもらえてねぇぞ」とか、そんな生々しい話が聞けるとともに、結局高学歴のオッサンってそこしか誇るものがないヤツ多いんだな、という貴重な情報を得ることもできたのです。

電源がないから、ビシッと仕事をすることができる

電源など居酒屋にはそんなにありません。「ここは酒飲むところだ、オラ!」といった場所だから当然のことです。だとしたら「よし、電池が切れるまでの2時間一本勝負! これで全部終わらせるぞ!」という形でダラダラと仕事をしないで済むのであります。

突然酔っ払ったオッサンが奢ってくれる

私など、夏は短パンにサンダルという格好ですから、貧乏くさく見え、さらにはそんな恰好をしているが故にガキだと思われることも多いんですよ。60歳過ぎたオッサン達は、そんな私のことを「こんなところまで来て仕事をしなくてはいけない程貧乏なんだな…」と憐憫の情をもって接してくれます。

突然、シメサバの刺身なんかがやってきて、店のお姉さんから「あちらのお客さんからです」なんて言われる。あちらのお客さんを見ると顔が真っ赤なオッサンが手招きし、「いいんっすか?シメサバ!」と言ったら「ニイチャン、オレも昔はよく働いたものよ。大丈夫だ。いつか報われるよ。シメサバ食って元気出せ」と「美味しんぼ」のトンカツ大王のエピソードみたいなことが時々あるのです。

仕事が終わったらいきなり解放的気分でパーッと飲める

ここまで見て、いかに居酒屋がノマドワークに最適な環境かが分かったことでしょう。そしてもう一つ居酒屋ノマドの優れた点は、仕事が終わったところで場所を移すことなく、そのまま一人打ち上げができてしまう点にあります!

「よーし、生大行っちゃうゾ!あとはモツ煮込みとチクワの磯辺揚げも行くかなぁ。ウヒヒ」ってなるわけですね。あとは、その辺にいそうな人に電話でもツイッターでの告知でもいいので「今、○○で一人飲んでますけど来ませんか?一人打ち上げで寂しいの、ボク」なんてお誘いし、急遽宴会になるのです。

というわけで、酔っ払い労働者の皆様「居酒屋ノマド」ムーブメント、作ろうではありませんか!

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 このユーザーの他の記事を見る

Spotlight編集部の公式アカウントです。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス