フリーアナウンサーの長谷川豊です。

理研の笹井さんについてのご質問をたくさんいただきました。

その中でも一番多かったのは

「笹井さんを死に追いやったのはメディアではないのか!これについて長谷川さんの意見を伺いたい」

というものでした。そこで、僕の個人的な意見を申し上げます。

まず、大前提ですが、何があってもどんな理由があっても、僕は「自殺」を認めません。

自殺?ええ、聞こえはいいかも知れないですが、ただの「殺人」です。僕は少なくともそう思っています。「自分」という人間を「殺す行為」です。絶対認めません。異論反論、けっこうです。何を言われても絶対意見は変えません。自殺は殺人行為です。

大学1年生の時でした。

高校を卒業して、働き始めたバイト先で出来た親友がいました。出会って日は浅かったですが、僕たちは毎日のように一緒にいました。彼のバイクの後ろに乗っていろんな場所に行きました。何度も一緒にご飯を食べました。

大学に入り、僕は一人暮らしをするため、引っ越しました。ラインもメールもない時代です。手紙しかやり取りは出来なかったですが、彼との友情は僕にとってとても印象深いものでした。

彼は世間的には「はみ出し者」でした。彼女をとても大切に思っていて、19歳で駆け落ちしていたのです。狭いアパートに彼女と同棲生活をしながら、

「彼女といられるのが一番の幸せだ。きっといつの日か両親も許してくれる」

2人でバイトを頑張りながら、彼はついに正社員に登用されることになりました。その辺りで僕は大学に。彼は笑顔で見送ってくれました。お互いの再会を楽しみにしながら。

それからわずか数か月しか経っていませんでした。彼が自殺したという知らせを受けました。

葬儀に参列し、ことの内情を知らされました。

彼女は以前付き合っていた男性と浮気をしたのでした。彼が働いている間でした。そのことを知った彼はその元カレに暴力をふるいました。そして被害届を出されたのです。正社員登用されたばかりでしたが勤め先からは当然解雇になりました。

彼は一人残された部屋の中で自ら命を絶ちました。

葬式では、その彼女がワンワン泣き続けていました。いい復讐になったことでしょう。浮気した彼女に、十分な心の傷でも与えられたでしょう。

僕は彼がどれだけ彼女の事を大切に思っていたか、希望に燃え仕事を一生懸命していたかを全部知っていました。

なので、彼の心境、そしてそのショックはあまりにも良く分かりました。

良く分かります。

でもな…

でもな、石井君。

葬儀に参列し、君の遺影の横に置かれていたバイクを見た時の、僕のショックと苦悩は君にわかるのか?もう死んじまって、とっとと逃げ出した君に分かるのか?

本当に大切に思い、本当に身近にいた人を、巻き込み、苦しみ、言ってしまえば、命を使ったテロ行為のようなものが「自殺」だと、僕はそう思っています。

笹井さんが自殺?

逃げただけだ。そんなもん。

マスコミが追い込んだから自殺したんだ?

マスコミに追い込まれる心境くらい、僕だって知ってる。追い込みをかけるマスコミが何の考えもせずに視聴率のための玩具にすることだって知ってる。

そう。

僕は「報じる側」も「報じられる側」の事も良く知ってる。

やってもいない事をやったと言われ、事実をねつ造され、名誉を傷つけられる苦しみだって良く知ってる。

それまで積み上げてきたものが一気に全部崩れ去る、そんな苦しみだって知ってる。

それを全部知った上で、笹井さんの自殺についてコメントさせていただきます。

僕は笹井さんに同情しない。

笹井さんはやらなければいけないことが沢山あった。そこから逃げ出して、周りを、笹井さんを大切に思う何人もの人を傷つけた笹井さんの行為を、僕は絶対認める気はない。

異論、反論、好きにどうぞ。意見は絶対変えません。

心情を理解できるかどうかじゃない。自殺は殺人です。殺人行為は認めません。

テレビに出てるコメンテーター陣も、そろそろ日本の「死んだ人は無差別に褒める・認めちゃう」文化、どうにかした方がいいと思うぞ?

(見出し画像引用元/47NEWS)

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