『フルーツ宅配便』(1~4巻)鈴木良雄 小学館ビッグC

単純にエロとして、風俗案内の体験レポとして、はたまた人間ドラマとして…性風俗をテーマにしたマンガは一大ジャンルにして玉石混淆。

女性にはなかなか手を伸ばしにくいジャンルだが、鈴木良雄の『フルーツ宅配便』など、叙情性に富んだ秀作も最近は増えているので、偏見抜きに読んでほしい。

8月に4巻が刊行された本作は、フルーツの源氏名がついた女性が働くデリバリーヘルス〈フルーツ宅配便〉を舞台にした物語。

一人息子のために働く「メロン」、親の借金返済でこの道に入る「プルーン」など、退っ引きならない事情を抱えた女たちの生き様が1話完結で描かれる。

欲望渦巻く世界が舞台だが、性サービスの描写は一切ない。淡白な筆致と俯瞰した目線でドロドロとした読後感がないのだ。

また、9月に6巻で完結した『匿名の彼女たち』(五十嵐健三)は、実在の風俗スポットを紹介しつつ、生々しい性描写も多めの「ザ・性風俗マンガ」たる一作だったが、主人公の男がなぜ性風俗にはまったかなども回を重ねるごとに明らかに。

哀愁漂う幕引きだった。

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