コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんが詳細にレポートする当シリーズ。前回の「ホット飲料のトレンド」に関する話題に続き、今回取り上げるのは「箱型スナック菓子」について。

「じゃがりこ」や「チップスター」など、ド定番な商品が多い印象のある箱型スナック菓子ですが、コンビニ側としては定番商品が強すぎる状況というのも逆に困りモノなんだそうで…。

箱型スナック菓子は「じゃがりこ一強」の様相

オフィスの机上に置いて、あるいはクルマのカップフォルダに入れて、ちょっと口さみしい時に気軽に食べることができる「箱型スナック菓子」

各メーカーから様々な商品が販売されているなかで、このところ独り勝ちと言っていいほど売れているのが「じゃがりこ」(カルビー)だ。

以下は、あるコンビニチェーンにおける箱型スナック菓子の2014年度から4年間の販売トップ15を一覧にしたものである。

緑色の網掛けがされているのが「じゃがりこ」シリーズの商品。表を見ても「じゃがりこ」の強さは一目瞭然で、実際に過去4年間において、そのシェアは50%以上

さらにここ3年間でいえば、実に60%以上をキープしている。このカテゴリーの業績浮沈は、まさに「じゃがりこ」にかかっているといっても過言ではない。

また、表のなかで赤字で記されているものは、この4年間でトップ15にランクインを続けている商品で、15アイテム中8アイテムが売れ筋上位に残り続けている。

赤文字以外の商品に関しても、多くが「じゃがりこ」の新フレーバーで、このことからも箱型スナック菓子というジャンルは、新規商品が売れ筋上位にランクインすることが少ないカテゴリーであることが分かる。

コンビニが新機軸の商品を期待する理由とは

他のカテゴリーの場合だと、チャレンジャーブランドが大量のTVCMを投下したり、全くの新機軸商品を投入することで、コンビニの新規商品コーナーを独占し、販売1位になることを目指した戦略を実施するのが常道だ。

新しい商品が目につく新陳代謝(回転率)の激しいカテゴリーには、消費者の注目が集まりやすく、それがカテゴリー全体における売上の底上げにも繋がるのだ。

しかし箱型スナック菓子に関しては、マーケティングの考え方(プロダクトポートフォリオ)で分析すると、参入障壁が高いカテゴリーに分類される。

新規商品・新規メーカーの参入が少ないということで、既存メーカーは成長率を下げて、シェアを高めていく戦略を取るようになる。

箱型スナック菓子カテゴリーは、既存メーカーからすれば上表でいうところの「キャッシュカウ(金のなる木)」化を推進している。

つまり「じゃがりこ」のカルビー、あるいは「チップスター」を擁するヤマザキビスケットとしては、今のまま高いシェアを維持し続けることで、儲けを継続的に享受したいと考えているわけだ。

ただ、それらを販売するコンビニ側としては、箱型スナック菓子のジャンルにも新陳代謝が起きて欲しいというのが、偽らざる心境だろう。

新メーカーによる新機軸の箱型スナック菓子
…最近のトレンドでいえば、健康志向女性をターゲットにした(例えば、ドライ野菜スティックのような)商品が登場すれば、さらなるカテゴリーの活性化、ひいてはカテゴリー全体の売上アップも期待できるのでは、と考えているのではないだろうか。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

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