どこか懐かしい食べ物を愛情込めて紹介する無料メルマガ『郷愁の食物誌』では創刊以来10余年、いろいろな種類の菓子パン(クリームパン、あんパン、ジャムパン等)を紹介してきました。

それぞれの菓子パンの歴史やルーツを辿ってきましたが今回、著者のUNCLE TELLは菓子パンの中でも「甘食(あましょく)」に着目し、その歴史や語源、美味しい食べ方について紹介。この甘食、ルーツは安土桃山時代って知ってました?

甘食を知っていますか?

郷愁の食物誌」を発刊以来10余年、この中で菓子パンについてもいろいろと書いてきた。あんパン、クリームパン、ジャムパン、味噌パン、メロンパン、カレーパン、揚げパン、牛乳パン、クリームコロネ、チョココロネなどなど。

甘食(あましょく)についても最初の頃の2001年12月25日号で取り上げた。この稿は、その続編か、バージョンアップ版というところ。

パンの名前というのは、外国からの伝来ということもあり、たいがい横文字か、さもなくばパンというように日本語との組合せである。この甘食は、珍しくも生っ粋の日本語だけの名前がついた唯一の菓子パンなのである。

もっとも菓子パンといっても、菓子の方に近いのかもしれない。私はパンという感覚だが、ウィキペデアには、日本の焼き菓子の一種とある。また、直径5~6cmの平たい円錐形で、スポンジケーキとビスケットの中間のような独特の食感である、と。

地は粗いカステラ状で、アーモンドパンとも似ている。昔々のいかにもサッカリンの味臭い、ボロッとした甘食の味を思いだす人も多かろう。この甘食は、メロンパンもそうなのだが、食べると歯の裏側にベタッとくっついてはなはだ始末が悪い。

どうして「甘食(あましょく)」などという名前がついたのか目下はわからない。先には大正時代からあったらしいと書いたのだが、いやいやもっと古く明治時代からあったとも。

真偽のほどはわからないが、1895年(明治28年)、東京、芝田村町・清新堂というパン屋が初めて売り出したという説も。

メロンパンなんかは載っていないが、広辞宛にはちゃんと、この甘食は載っているのである。すなわち、菓子パンの一つ、甘味をつけた円錐形のパンと出ている。ところではや甘食を知らない、食べたこともないという世代も多い。

また、ウィキペデアには、地域性の強い食品で、関東地方では非常にポピュラーだが、西日本では存在さえ知らないという人が大半であるとも載っている。

日本最大のパンメーカー、ヤマザキ製パンからこの昔懐かしい甘食が出ているのを発見したことがあるが…。

甘食で画像検索してもわかるが、その形状は店やメーカーでかなりまちまち。そのルーツは古く、安土桃山時代にスペイン・ポルトガル人がもたらした南蛮菓子にあるらしい。菓子の方に近いといったが、甘食は食事よりおやつに登場することが多かった。

そのまま食べてももちろんいいが、トースターでこんがり焼くと香ばしくおいしさもぐっと増す。

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