私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「停電時の備え」に続いて、今回取り上げるテーマは「違法駐車・違法駐輪」について。

ただ単に迷惑なだけではなく、来店者が減ることで売上の低下にも繋がるというこれらの迷惑行為に対して、コンビニ側は具体的にどのような対策を講じているのでしょうか?

広大な駐車場に長期間駐車しっぱなしのクルマ

駐車場が広いロードサイド型のコンビニなどで、駐車場の端っこの方に違法駐車がされているのを、よく見かけることがありませんか。

先日のことですが、そんな違法駐車に腹を据えかねたと思われるコンビニが行った“違法駐車撲滅キャンペーン”の様子が、ネットニュースなどで紹介され、「やりすぎだ」と大いに話題になりました。

ただ、コンビニ店主の立場で考えれば、「そりゃ、そうする気持ちも分かるよ」という心理にもなるものです。だって、考えてもみてください。

自分の店の駐車場が、売上にまったく関係ない人間のクルマで満車になってしまい、本来のお客さんが立ち寄れる機会を逃していると思うと、到底我慢できないでしょう。

私が過去に取材したことのあるコンビニ店主(地元で約30年経営しているベテランオーナー)も、自分の店の駐車場に20分以上駐車しているクルマを見つけると、そのクルマに張り紙を貼っていました。

この店舗の横には地元では有名な神社があるため、参拝がてらコンビニに立ち寄り、そのまま駐車し続けるケースが多かったのです。

この張り紙作戦ですが、かなりの効き目があったそうです。ただ、ある時いつものように店主が張り紙を貼っていたところ、そのクルマの持ち主にバッタリ鉢合わせ。本部にまでクレームが上がってしまったそうです。

もちろん、張り紙をしても停め続けるような悪質なケースの場合は、警察に通報しレッカー移動を要請します。しかしながらこの処理方法も、コンビニ側からするとあまり多用したくないのが実情です。

というのも、その手続きがあまりにも面倒すぎるからです。

「いつから駐車していた?」(正式な日時なんてわかりません)、「持ち主に連絡した?」(持ち主がわからないから通報したんですが…)といった、不毛な質問攻めに遭い、気が付くと半日ほど時間が拘束されることも。

これでは他の業務が滞ってしょうがないのです。

駅前店では違法な駐輪に苦慮

コンビニを悩ませるのは、クルマの違法駐車だけではありません。駅前の店舗などになると、通勤・通学者による違法駐輪も多く発生します。

とある駅前にあるコンビニも多分に漏れず、店前に大量に放置される自転車に悩まされていました。店長が毎朝8時半ごろに出勤すると、すでに店舗周辺が自転車だらけ…という状態で、一日の最初の業務は放置自転車の整理作業となっていました。

この場合、市役所に通報することもありますが、この店では駅から少し離れた空き地や道路沿いに、自転車を移動させていました。ただ、なかには強固な鎖で繋ぎ止めている強者もおり、その場合は警察に通報していたそうです。

店側も違法駐輪を無くすべく、様々な対策を行いました。なかでも効果が高かったのが、店舗の前に花を植えたプランターを置くという対策でした。

買い物客が自転車で来店するスペースは必要なので、それはしっかりと確保しつつ、それ以外の違法駐輪をされやすい箇所にプランターを配置。

すると、やはり人間は花には弱いのか、プランターを動かしてまで違法駐輪をする人はおらず。結果、違法駐輪は激減したそうです。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで:u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

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