私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「地域のお祭りへの対応」に続いて、今回取り上げるテーマは「停電時の備え」について。

つい先日台湾では、全世帯の半数が影響を受けるという大規模な停電が起きて大混乱となりましたが、もしも日本で同様な事態が発生してした場合、コンビニ各店舗はどのように対処するのでしょうか。大変なのは、アイス等の冷凍商品だとか…。

コンビニで停電が起きたらどうなる?

以前あった話ですが、とあるコンビニが所在する町一帯が、原因不明の停電に見舞われたことがありました。時間はお昼時でしたが、照明がすべて落ちてしまったために店内は真っ暗に。突然の出来事に、店舗は大パニックに陥ったといいます。

コンビニにはPOSレジストアコンピューターと呼ばれるシステム機器、発注機器フリーwifiなど、多数の機器が設置されています。停電が発生し、これらの機器への通電がストップしてしまうと、最悪の場合故障してしまうこともありえます。

そういった事態を防ぐために、コンビニには「無停電電源装置(UPS)」と呼ばれる機械が設置されています。これは停電が発生した際に、一定時間(およそ30分~1時間程度)電気を供給するもの。

このUPSのおかげで、レジやストアコンピューターといった店舗運営に必要なシステムは、停電時でもある程度は稼働を続けることができます。

ただ前述の店舗のケースでは、UPSのバッテリーが無くなるほどの長時間の停電だったため、最終的にはレジもストップ。昔ながらの電卓によるレジ作業で、なんとか乗り切ったそうです。

またストアコンピューターも起動せず、いつものように商品の発注データを送信することもできなかったため、電話とFAXで対応することになったそうです。

大変なのは、アイス等の冷凍商品

停電が長時間に渡り続くと、要冷蔵商品要冷凍商品をどう保管するかという問題が発生してきます。

例えばアイスクリームの場合、停電になると素早く販売中止とします。そしてアイスケースの扉をガムテープ等でふさぎ、冷気が逃げないようにします。

また要冷蔵商品は、5℃以下での保管が必要ですので、ドリンクなどが保管されているウォークイン冷蔵庫と呼ばれる大型冷蔵庫内に、ひとまず移動させます。

またトラブルにより急に発生した停電ではなく、工事などの影響で事前に起こることが分かっている停電の場合は、事前にドライアイスを手配しておき、それをアイスケースや冷蔵什器に仕込むことで、温度の上昇を防ぎます。

しかし不幸にも停電が長期化し商品の劣化が始まってしまうと、該当する商品は全て廃棄となります。

停電による商品廃棄の補償ですが、工事・設備の作業員が誤って電気を止めてしまった際に、補償として商品廃棄分の金銭を補填してもらったことがあるようですが、それはあくまでもレアなケース

ほとんどの場合は補償を受けられず、各店舗が損害を被ることになるそうです。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

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