記事提供:AbemaTIMES

絶滅したとされてきた「ニホンカワウソ」を発見か、とのニュースが全国の注目を集めている。

今年2月、琉球大学の研究グループがツシマヤマネコの調査のため長崎県対馬市に設置したカメラに、偶然カワウソらしき動物が映っていたのだ。

明治時代までは日本全国に生息していたニホンカワウソは、毛皮を目的とした乱獲や環境破壊の影響で個体数が減少。

1979年に高知県須崎市で撮影されたのを最後に見つかっておらず、環境省は“30年以上も人目に触れずに生息することは困難”として、2012年に絶滅種に指定していた。今回見つかった個体がニホンカワウソだと確認されれば、38年ぶりの大発見となる。

今回の発見を受け、環境省は先月から対馬で追跡調査を開始。採取したフンから、カワウソのオスとメスの両方が生息している可能性があるとしている。

ニホンカワウソについては、近年目撃情報が全国各地から寄せられていた。

しかし、日本自然保護協会の道家哲平氏は「かなり厳密な科学的調査を基に指定されている。“何かそれっぽい生物がいた”という目撃情報だけではニホンカワウソがいるとは認められない」と説明、一度「絶滅種」に認定された動植物が発見されるケースについても「少ない。国際自然保護連合(IUCN)というNGOの統計でも、2010年から2017年までの期間で5件くらいしかなかった」と話している。

最後に生体を捕獲した愛媛県ではニホンカワウソをシンボルマークに起用しており、はく製を保管している県総合科学博物館の学芸員小林真吾氏も「愛媛県のレッドデータブックでは、まだ絶滅宣言していない。ずっと探している状態なので、ぜひ愛媛にも残っていて欲しい」と期待を込める。

17日のAbemaTV『AbemaPrime』では、この動画を撮影した伊澤雅子教授(琉球大学の動物生態学研究室)を生直撃した。

「対馬にいる食肉目の動物としては、ヤマネコやテン、チョウセンイタチが挙げられる。そのどれでもない、というのがまず一つ。大きさも違うし、プロポーションも違う。哺乳類の研究者であればこの画像を見てカワウソだとすぐ分かる。しかし、今の段階では“カワウソである”としか言えない」(伊澤教授)。

伊澤教授らの研究グループによれば、対馬でニホンカワウソが生息していたとすると「対馬で細々と生き残っていた」「韓国から泳いで渡ってきた」「海外からなんらかの人間活動によって移動してきた」という3つの可能性が挙げられるという。

伊澤教授は「江戸時代の文書に、対馬にカワウソがいたという記録がある。それ以降の記録がないが、夜行性の動物で人目にあまり触れないので、細々と対馬に残っていたというのも一つの可能性だと思う」と指摘。

また、「ユーラシアカワウソの生息地で一番近いのは韓国。韓国ではカワウソが保護されていて、個体数も分布も増えてきている。対馬までの距離はわずか50kmなので、自分で泳いできたという可能性もある」とした。

今後の調査ついては「新しく状態の良いフンが採取できて、いいDNAがあれば、相当色々なことが分かる。この映像のカワウソの由来にかなり迫れるのではないか。高知のカワウソに近いのか、韓国に近いのか、シベリアのものに近いのかなども分かる」と説明した。

今回の発見を機に、日本でカワウソの数を増やしていくことは可能なのだろうか。

伊澤教授は「今回の一匹だけなのか、また何匹かいるのかも分からないが、少なくともこの一匹を見る限り、ガリガリに痩せて死にそうという感じは受けない。つまり、カワウソが住める環境があるということ。それをちゃんと保全して、ちょっとずつでも河川や沿岸部を改善していけば、個体数が増えていくこともあり得る」との考えを示した。

(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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