メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストの吉田武さんが、現役の警察官Tさんへのインタビューで「自転車の取り締まり」に関する裏話を暴露する当シリーズ。

「警察の適当な違反キップ処理」について語られた前回に続き、今回は当たり前のように見かけるけれど意外と知らないパーキングメーターと警察の関係性が明かされています。

軽車両の自転車はどこまで車両や歩行者と共存できるのか?その8

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Tさん:自転車ナビライン・ナビマークが道路の左側へ敷かれているだけで、路上にクルマを駐停車しなくなっているドライバーが増えたのは良い傾向ですし、ドライバーの方々がここにクルマを止めたら自転車の走行を妨害してしまうと懸念してくれていることもあり、私たちにとってはナビライン・ナビマークのおかげで路上駐車が減っている現状を良いことだと思っています。

吉田:いえ、自転車ナビライン・ナビマークができたばかりの頃(確か4年ぐらい前だったかな?)って、路上のパーキングメーターを撤去までして路上へ自転車用のペインティングしている様子を見かけました。

ですが…次第にパーキングメーターを撤去せず、メーター設置道路だけにはナビライン・ナビマークを敷かずにわざわざ飛ばして、次のブロックにペインティングするようになったんですよね。

あれはなんだったんだろうと気になっていたんですが、それこそ天下り法人がクルマを駐車した時の謎の“手数料”がもらえなくなるから(パーキングメーターを撤去しないように)難癖付けたとしか思えないんですよ。

Tさん:うーん、それはどうなんでしょうかね。

パーキングメーターと警察の関係とは?

吉田:例えばですよ、東京都内ではパーキングメーター等を元警察関係者が定年退職した先、つまり天下り先の会社に管理業務委託しているんですね。それはTさんご存知でしたか?

Tさん:全員が全員天下りというわけではないと思いますが、そのような警察と密な付き合いをしている法人の顧問になったり、社外役員等をしている話はよく聞きます。

もちろん社員としての受け皿になっているのも事実だったりしますが、何か問題があるんですか?

吉田:まさにソレなんですよ!

東京都ではですね、財団法人東京都交通安全協会中部安全サービス保障アネシスという3つの会社が警察から業務委託をされて、パーキングメーターやパーキングチケットで支払われた駐車料金ではない謎の“手数料”という名目で機械からお金を徴収しているんですが、彼らはその謎の“手数料”という不透明な売り上げを糧にしているんです。

ですので、パーキングメーターやパーキングチケットがナビラインやナビマークのせいで撤去されてしまうのを恐れていたと思うんです。

その証拠に、今のナビラインやナビマークが敷かれているところにはメーターの撤去跡はないんですね。撤去せずにそのブロックを飛ばしてナビラインやナビマークが路上へペインティングされています。

Tさん:そういうことなんですね。確かにおっしゃられるように、駐車可能なブロックを飛ばして路上へペインティングが敷かれているところは結構あります。

吉田:それがカラクリなんですよ。天下りな人たちの。

Tさん:そういえば聞いた話ですが、ナビラインやマークを敷く時に故障が頻繁に起こるパーキングメーターを撤去してペイントするようなことをチラっと伺ったことがあります。

吉田:つまり、故障が多く発生するからお金を徴収できないし、あのパーキングメーターも随分古いので壊れやすいとはよく聞きます。そもそもパーキングメーターも公安委員会が公共の道路へ勝手に手数料徴収の目的で設置するわけじゃないですか。

あれもどうかと思うんですね。自転車だって軽車両ですが同じ車両なんですから、自転車が路上に止められるように自転車専用のパーキングメーターも設置するべきですよ。

そういうことをしないだけで公安委員会のやり方はおかしいし、不公平極まりないですよね。歩行者のためにある歩道へ駐輪できるようにしているのも、そう考えると納得いきません。歩行者からしたら、駐輪されているだけで邪魔だと思うんです。

僕はサイクリストの方々にも、自転車だって車両で危ないってことを認識してもらいたいだけなんですけども、日本は狭い国なので現実的には難しいでしょうが…うーむ。

Tさん:責めてきますねぇ、吉田さん(苦笑)。

私個人としては、公安委員会が自転車に対する道路交通法を改正したからには徹底的に注意勧告したり、取り締まり強化するよう各地の所轄へ促すべきだとの意見を持ってます。

結局、私たち警察官はトップダウンで命令が下されないと勝手な行動を出来ない歯痒さがありますので。

「パーキングメーターを撤去して!」と頼めば撤去してくれるのか?

吉田:以前、花屋を経営している知り合いから相談された事案で、パーキングメーターを自分の花屋の店先に勝手に設置され、1年間我慢していたら売り上げが前年比マイナス30%になったそうで、何とかならないかと泣きつかれるということがありました。

で、警視庁交通部駐車対策課に電話して申請書類を作って申告すればパーキングメーターを休止や撤去させることも可能と伝えたんですね。

その知り合いの花屋は、店頭に対面した通りから完全に塞がれてしまうようにパーキングメーターがクルマ2台分設置され、営業妨害に近い状態でした。特に2トン車やバンなんかを止められたら花屋の存在が分からない。

その知り合い曰く、パーキングメーターを設置しに来た業者は何も言わず、休止や撤去も可能という話すら一言もなかったと。

これって公安委員会の怠慢だと思うんですが、もっと全国へパーキングメーターの休止や撤去が民間の声で可能だという事実を広く告知するべきです。

Tさん:業者の方によると思うんですが、パーキングメーター設置の際は一声かけているはずなんですけどね。でも、休止や撤去ができるとかまでは伝えていない気がします。

吉田:怠慢ですなぁ。詐欺に近い気がしますよ。

それともう1つ気になることがあって、この事案もその花屋の知人から伺った話なんですけども、店の前にパーキングメーターが設置されていると、来店するお客さんが自転車をそのパーキングメーターの白線枠内へ止めて店内へ入ってくることが時折あるそうなんですね。

で、その店の周辺は歩道路上問わず自転車の放置駐輪が結構多く、定期的にトラックで業者が自転車の撤去作業に来てると。

そこで、パーキングメーターの白線枠内に料金未納ではありますが、自転車を止めて店内でそのお客さんが買い物していたら、パーキングメーターの白線枠内に止まっている自転車には手を付けず歩道や路上に置いている自転車のみをトラックへ放り込んで運び去って行ったらしいんです。

1度ならず、今まで3度もそのような状況に遭遇したそうなんですが、もしかしてあのパーキングメーターの白線枠内は治外法権扱いなんでしょうか?

(次回へ続く)

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