記事提供:日刊大衆

昨年、連載40年の歴史に幕を閉じた秋本治氏による国民的漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)。ギャグ漫画である同作は、主人公の両津勘吉が繰り広げるハチャメチャなふるまいが特長。

しかしコアなファンからは、たまに両津が発する“ド正論”が「心に突き刺さる」と評判だった。

その代表的な例が、更生したヤンキーに対する両津の見解だ。派出所を訪れた元ワルに対し、同僚たちが「まじめになってえらい」と褒めたたえるシーンでのこと。両津は「おまえら勘ちがいしてるんじゃねえのか!」と一喝。

そして「えらいやつってのは始めからワルなんかにならねえの!」「ごくふつうに戻っただけなのに、それをえらい立派だと甘やかして」「こいつ(元ワル)から金とられたまじめな学生やバイクとられた人の方が悲惨でしょう!?」と自論を展開した。

この両津の正論は、ネット上でたびたび話題に上がる読者の同意を集めるネタだ。

また、両津は『シンデレラ』のサクセスストーリーに憧れを抱く、同僚の秋本・カトリーヌ・麗子に現実を突きつけたことも。両津いわく『シンデレラ』は容姿至上主義の物語とのこと。

みすぼらしい姿でけなげに働くシンデレラを見て王子が惚れたのなら“本当の愛”とも言えるが、実際は舞踏会で見た「美しいシンデレラに王子が一目惚れ」しただけと指摘。

つまり『シンデレラ』は本人が美人だったから成り立つ話なので、女性は「差別だと怒るべきだ」と言い放った。

アイドルに夢中になっている同僚の本田速人を泣かせたこともある。

とあるアイドルを「清純で地味でまじめ」だから応援しているという本田に対し、両津は「地味でまじめなやつが芸能界に入るかよ!目立ちたがりで自尊心が強いから芸能界でやっていけるんだろ」と反論。

苦労してアイドルスターになったという話も「本人の苦労じゃなくてプロダクションの苦労が実っただけなんだよ」とバッサリ。本田に現実を突きつけていた。

最後は「抽象画」についても、こんなエピソードがある。「写実的に描いた人物画」と「記号を並べただけのような300万円の抽象画」を一般人に見せた両津。

リアルな人物画を見た人は「すごい写真みたい!」「欲しい!」と感想を口にし、抽象画に対しては「誰でも描けそう」「欲しくない」といった意見が出ていた。

その率直な声を聞いた両津は、「これが正しい評価だ!分かったか!」「こんなサルでも描ける絵!誰も評価しねえんだよ!!評価するのはエセ文化人どもだ!!」「バカがこんな絵評価するからバカが調子に乗るんだよ」と苦言を呈していた。

いつもハチャメチャなキャラクターだが、たまに核心を突く“正論”を吐く両津。そんなところが40年も愛され続けた“両さんの魅力”の一つなのかもしれない。

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