『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子/KADOKAWA)

これから世の中に出ていく女の子に、ぜひ覚えてほしいのは、転んだ時の立ち上がり方。長い人生、人は何回も転ぶもの。結婚したからってそこがゴールじゃないのだ。

『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子/KADOKAWA)は、娘が16歳を迎えたのを機に、子育て卒業宣言をした著者が、貧しい田舎から19歳で上京し、何度も転びながらここまできた自身の過去を振り返りながら、女の子に伝えておきたいことをまとめた一冊だ。

西原理恵子氏といえば最近は、高須クリニックの高須先生との熱愛宣言でも話題を集めた。

「つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しない」

「最後の最後で高須先生っていう万馬券をひかなかったら、はずれ馬券のオンパレード」

出典『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子/KADOKAWA)

という著者。「結婚したとしても、相手が病気になることもあれば、リストラされることだってある。どんな立派な人でも、人は変わるし壊れる。男でしくじっても、どうにかやってこられたのは、自分が働いていたからだ」と述べる。

長男が生まれた頃から、アルコール依存症になった夫(鴨ちゃん)の理不尽な暴力に苦しめられながら、子どもを連れて逃げ回ることしかできず、6年も我慢してしまったことを後悔する著者。

シェルターも生活保護もある、逃げ道はあるということを知っておいてと伝える。

アルコール依存症から立ち直り、しかしガンになって戻ってきた鴨ちゃんを受け入れて、「家族の幸せな思い出」をつくり看取った著者。

高須先生の「今、目の前にある豊かな畑は、あなたがいろんな嵐から何度も何度も家族を守って実らせた実ですよ」ということばに涙する西原氏。大人の恋愛の魅力が垣間見えるのも本書の魅力だ。

「王子様を待たないで。社長の奥さんになるより社長になろう」

「お寿司も指輪も自分で買おう。その方が絶対楽しいよ」

出典『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子/KADOKAWA)

美大に入った瞬間に、自分の実力を思い知ったという著者。生きるために王道からはずれ、エロ本のカットを描く仕事を見つけ着実に仕事を増やしていった。ちゃんと稼げるようになるためには最低限の学歴や資格も大事。

そして自分が稼げる道を早いうちから見つけてほしい。そのためには自分の幸せを人任せにしないことだと述べる。

娘も息子も16でやりたいことを見つけて船出。「かーしゃん、抱っこしてー」と甘えてきたあの頃、もっともっと抱っこしてあげればよかったという著者。もう戻れない幸せな時間。

子育ての思い出はなつかしく切ない。『毎日かあさん』に通じる、子どもへの深い愛情は、本書からも伝わってきて、やっぱり泣ける。西原氏だからこその説得力と魅力に溢れた一冊だ。

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