記事提供:日刊サイゾー

イメージ画像(Thinkstockより)。

親北政策で知られる文在寅(ムン・ジェイン)大統領だが、北朝鮮のミサイル発射実験を、ただ無視するわけにもいかない。

その対策の一環が、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備なのだが、対象範囲が中国にも及んでいることから、中国政府は大反発。それにより、韓国側は多くの「報復措置」を受けることとなった。

特に大きな打撃を受けているのが観光業界だ。韓国観光公社の発表によると、今年3~5月の訪韓中国人は84万1,952人で、前年同期の198万9,833人を大きく下回った。

それに伴い、多くのホテルやレジャー施設では利用者が激減。特に影響を受けているのが、クルーズ業界だ。2014年には利用者が100万人を超える成長を遂げ、昨年は195万人超えで合計5兆4,000億ウォン(約5,400億円)の経済効果をもたらした。

そんな有力産業だが、実は利用者の約90%が中国人で、今年3月には5万4,000人(昨年9万7,000人)と一気に半数まで落ち込み、6月には1万1,000人と昨年の10分の1にまで落ち込んだ。

一方、THAAD報復は、韓国製品の売り上げにも影響を与えている。

キム・ヨナが専属モデルを務める化粧品メーカー「イッツスキン」もそのひとつで、前年度に比べ、営業利益は約3割減となり、ここ3年で最低の利益率を記録した。

全体の約60%の売り上げを誇っていた大ヒット商品「かたつむりクリーム」は、THAAD配備以降、中国国家食品医薬品監督管理総局(CFDA)から衛生許可が下りない状況だ。

また、製菓メーカー「オリオン」もチョコパイなどの売り上げが減少し、一部生産ラインの稼動を止め、出荷量を調整しているという。

一方、LGやサムスンなど、中国国内に工場を持つ企業も大きな不安を抱えている。現状では、大きな被害を受けてはいないが、関係者は「事態が長期化すれば、必ず影響を受ける」と悲観の色を見せている。

実際、中国内での家電製品は国内メーカーがシェアを握っていて、韓国企業の利益率はそれほど高くない。しかし、クックー電子をはじめ高級炊飯器を輸出している中小企業などは大きな被害を受けている。

現状の被害は、中国政府の報復措置によるところが大きいが、中国人による韓国ヘイトは民間にも広がりつつある。

最近では、ネット上に中国の家電量販店社長がLGの洗濯機や液晶テレビなど韓国製品を斧で豪快に破壊する動画がアップされ、大きな波紋を呼んだ。

良識ある中国人の中にはこの動画の行為を否定する人もいるが、多くの中国人が支持する構えで、もはや中国と韓国の対立は民間レベルにまで浸透したといえる。

数年前まで、過去最高の友好関係を築いていた韓国と中国。THAAD配備は、両国の関係に決定的な亀裂を生じさせたようだ。

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