私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「お茶飲料の最新動向」に続いて、今回取り上げるテーマは、大量の「発注ミス」。

コンビニでよく発生するという誤発注のメカニズムや大量の在庫を抱えてしまった際の対処法を、具体的な事例を挙げながら紹介しています。

誤発注はどのようにして起こるのか?

誤発注によって入荷した大量の商品が、店先にうず高く陳列されている…そんな画像を、Twitterなどで見かけたことはありませんか。

実際コンビニにおいても、大量発注ミスの話は結構耳にします。そこで今回は、そういったミスがどういう原因で起こるのか。また、大量に入荷してしまった際にはどう対処するのかを、紹介していきましょう。

多いのは「発注ロットの見間違え」

この手の発注ミスの原因として圧倒的に多いのが、発注単位(ロット)の見間違えです。

コンビニの商品発注画面では、下のような情報が表示されています。

表の右側にある「最低発注数」とは、その商品を発注する際に最低限発注しなくてはいけない数量のこと。そして「発注単位」とは、発注数「1」あたりに封入されている商品の数となります。

実際コンビニで売られている肉まんは、1パッケージで6個入り。それを各店舗でバラして、スチーマーで蒸したものを1個ずつ提供しています。

この「最低発注数」と「発注単位」は商品によって異なるのですが、例えば発注画面に「最低発注数量:3、発注単位:1」という商品が並んでいるところに、先ほどの肉まんが混じっていると、他商品の発注数を「3」「3」「3」というふうに次々と入力していった勢いで、肉まんのところも「3」と入力してしまうことがあります。

すると肉まんが「6×3=18個」納品されて来るわけです。

ただ肉まん18個ぐらいなら、まだ可愛いほうです。最近耳にした発注ミスで一番悲惨だったのが、「発注単位:48」の玩具雑貨を仕入れた店舗。発注担当者は「発注単位」と「最低発注数」を読み違えてしまい、うっかり発注数を「48」と入力。

後日「48ロット×48個=2,304個」の玩具が届いたそうです。

どれだけ売れるのかが判断しにくい「新規商品」

発注時の入力ミス以外で、大量在庫を抱えてしまう原因としてよくあるのが、新たに発売される商品の販売見込み違いです。

毎週、100アイテム以上の新規商品が発売されるコンビニ。これらが果たして売れるのか、それとも売れないのかを事前に判断するのは、とても難しいことなのです。

もっとも食品(特にお菓子)であれば、最初の見込みを間違ったとしても、何とか売り切ることが可能です。ただ、これが雑貨などの非食品の場合だと、全く売れないケースもあり悲惨なことになります。

最近はあまり見かけませんが、昔はコンビニの店頭でゲームソフトも販売していました。その頃の話ですが、とある店舗が当時話題だったソフトが発売されるということで、見込みで100本発注

しかしまったく売れずに、不良在庫の山を抱える羽目となりました。困った店主は、近隣の中古ゲームソフトショップやフリーマーケットなどで投げ売りをして、なんとか在庫を捌いたとのことです。

山ほどの在庫が入ってきた…その対策は!?

発注ミスや見込み違いなどで、もし大量の在庫を抱えてしまった場合、店舗はどのような対応するのかというと、一般的には値引き販売をします。

具体的には、下記のようなステップを踏みながら在庫を減らしていき、最終的な値引き負担金額を少しでも減らしていくのです。

①商品の陳列面数(フェイス数)を増やす
②レジ前・レジ横に商品を陳列する(陳列場所を増やす)
③利益が±0になる金額まで値引きをする(お買い得商品コーナーを作る)

出典 http://www.mag2.com

販売期間が長い商品であれば、慌てて値引きをすることはありません。しかし、食品などの販売期間が短い商品の場合、販売期限内に売り切らないと商品廃棄となってしまうので、迅速かつ大胆な対応が必要となります。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで:u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

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