『ひとりビジネスの教科書』(佐藤 伝/学研プラス)

ビジネスマンの働き方が変わろうとしている。『ひとりビジネスの教科書』(佐藤 伝/学研プラス)によると、2014年9月時点で、アメリカの人口の34%にあたる5400万人がフリーランスとして働いているらしい。

日本でも経済産業省が設置する有識者の研究会が、フリーランスという働き方について、「企業と労働者の両者にとって良い選択肢になりそうだ」という報告書をまとめ話題となった。

さらに「政府がフリーランスの失業保険を創設する」という報道も流れ、政府が本腰を入れ始めていると見える。日本も「ひとりビジネス」の時代がいずれ到来するだろう。

本書では、この「ひとりビジネス」を先取りするべく、誰でも可能な自宅起業の方法を紹介している。…とはいえ、会社員として働く方にはピンとこないだろう。

「将来は起業したい」と考えている方も「そもそも何をどうすればいいのか…」とつまずいている最中かもしれない。そこで本書より読者に「ひとりビジネス」の基本中の基本をご紹介したい。

■何を「売り物」にするのか

起業する上で、まず考えるべきは「売り物」だ。これがなければビジネスは成立しない。ここで多くの人が悩んでしまうのだが、これは意外と簡単に作れてしまう。商品には3つの種類がある。

「自分の商品」「他人の商品」「コラボ商品」。この中で楽にスタートできるのが「他人の商品」を売るビジネスだ。

本書の具体例を挙げると、岐阜県に住む女性は出産・子育てを機に、子どもが安心して食べたり使ったりできる商品を自分で試し、それを周りの人やブログで紹介していた。

やがて全国にファンが広がったのをきっかけに、オンラインショップをスタートさせた。これも「他人の商品」を売る「ひとりビジネス」のひとつだ。

「売り物」である商品の形態には「モノ」だけでなく「サービス」もある。

例を挙げると、ネイルアートやマッサージなどの「特技」を売ったり、コンサルティングやカウンセリングなどの「相談」を売ったり、アイデア次第で売れる「サービス」は無限にある。

本書では「犬の散歩ビジネス」で月200万円を売り上げている人を紹介している。

これに加えて「商品」を「ネットで売るのか」「リアルで売るのか」、その「商品」を「自分で売るのか」「他人に売ってもらうのか」という、「ひとりビジネス」を展開する上での基本的な考え方を提示してくれている。

ここで、同じくフリーランスとして働く筆者が本書を読んで特に共感した部分をご紹介したい。

■ひとりビジネスで大事な2つ

1つ目「会社を辞めるな」。当たり前だが、会社を辞めると収入がゼロになる。起業したての頃はどうしても収入が不安定になるので、当然今までのような生活ができなくなる。

そうなると精神的にも不安定になり、プレッシャーによって上手くいく事業も失敗してしまうかもしれない。いきなり会社を辞めることはリスキーだ。まずは空き時間を使ってマイペースに始めることをオススメする。

2つ目「完璧を求めるな」。起業の経験があるならまだしも、初めて起業するのにパーフェクトなどあり得ない。

たとえ未完成でもいいので、まずは自分から「みなさ~ん、今ここまでやってみました~!」と、図々しく発信することが大切。とりあえず行動することこそが「ひとりビジネス」には大切だ。

ここまで本書のポイントを簡単にご紹介したが、ほかにも「自分のブランドの構築」や「最強の集客テクニック」など、ひとりでビジネスを回していくコツを非常に分かりやすく紹介している。

「会社が辛い…」「もっと自分にできることはないのか」ということが頭をよぎった方は、ひとつのきっかけとして、ぜひ手にとってほしい1冊だ。

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