『男達の食卓 豪快レシピとビンボー料理』(アンソロジー/少年画報社)

「男の料理」と聞いて想像することといえば、もっぱら「豪快」の二文字であろう。食材をシンプルな調理法で、アレコレ手を加えずに供する──大体こんな感じだ。主婦感覚からすれば「手抜き」にも見えるのだろうが、男には「豪快」なのである。

とはいえ現代、いわゆる「料理男子」も増え、「男の料理」の概念も随分と変わってきた。ソース作りや調理法に凝るなど、手の込んだ方向へ進んでいる傾向も見られる。

『男達の食卓 豪快レシピとビンボー料理』(アンソロジー/少年画報社)は、そんな「男の料理」を描いた短編漫画を多数収録したアンソロジーコミックだ。

タイトルにもあるように「男」による「豪快」な品や「ビンボー料理」をメインに据えた本書。土佐の漁師たちの豪快な「浜鍋」や高校時代に味わった「ベビースターめし」など、看板に偽りのない品がそれぞれエピソードを添えて紹介されている。

しかしさすがに「ベビースターラーメン」をふりかけただけのご飯を紹介するわけにもいかないので、私の独断と偏見によるチョイスで料理を実践してみることにした。

ex1:「チャーハン」

この料理は、チャーハンで人々を笑顔にする「チャーハンマン」が活躍する漫画が、人気の下降と作者の意欲低下で終了が決まったというエピソードで登場。

担当編集が差し入れに高級食材を買おうとしたが、店は定休日でコンビニにはおにぎりしか置いてなかった。そこで漫画家は、そのおにぎりを使ってチャーハンを作ることに。

材料は2人前で「おにぎり『鮭』『明太子』各2個」「ネギ適量」「卵1個」これだけである。熱したフライパンに油を引き、おにぎりを入れてよくほぐす。そこへネギと溶き卵を入れ、醤油を少々加えて強火で一気に仕上げる。

最後におにぎりの海苔をちぎってチャーハンにかければ完成。漫画では味付けシーンは描かれないが、これは元々おにぎりに味付けがされているため、そのままでも大丈夫だからだ。

食料がおにぎりしかなく、そのままかじるのは味気ないという人は、ぜひ試してみてほしい。

ex2:「ガレット」

このエピソードでは、料理好きのライターのもとへ編集者が「そば粉」を持ってやって来る。それを調理すべくライターが選んだのが「ガレット」だ。材料は「そば粉100g」「塩小さじ半分」「卵1個」「水1カップ」これで生地を作る。

具材は「卵1個」「ハム適量」「とけるチーズ適量」だ。まずボウルにそば粉と塩を入れ、混ぜる。別のボウルに卵と水を入れ、こちらも混ぜる。卵液をそば粉に少しずつ入れながら混ぜると、粘り気のある生地になる。

それを熱して油を引いたフライパンに流し入れ、円形に広げる。表面が乾いてきたら卵を生地の中央に割り入れ、卵の周りにハムとチーズを散らす。そして生地の外周をはがして上下左右を折り、フタをして1分蒸せば完成だ。

生地のモチモチ食感と、半熟の黄身とチーズのトロトロ感がベストマッチングで、ハムのアクセントも効いてこれは美味。

なお漫画では余った生地をそのまま焼いて、ピーナッツバターやチョコスプレッドをつけて食べていたので、そちらも試してみたが確かにアリだった。

ひところ「男子、厨房に入らず」などという言葉があったが、それも今は昔。オリーブオイル片手に、オシャレな料理を作る男子がいてもいいのが現代だ。

もちろん豪快料理だってかまわない。要は何でもアリなのだ。見栄えなど気にせず、まずは簡単なものからどんどんチャレンジして、自分自身の「男の料理」を追求していってもらいたい。

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