イギリスやフランスでテロ事件が続発している。同じ先進国であり、2020年に東京五輪というビッグイベントを控える日本にとって、これは対岸の火事じゃない。もし日本でテロが起こるとしたら、どんな場所が狙われるのだろうか?

【3つのポイント】

1. 英など欧州で多発! より「身近」な場所で起こるテロ
2. 東京でテロ起こるなら…標的はラッシュ時の電車?
3. 欧州のようなテロの可能性は低い日本。でも2020年は…

1.英など欧州で多発! より「身近」な場所で起こるテロ

最近、イギリスやフランスなど先進国で多発し、ニュースが相次いでいるテロ事件。なかでも、5月22日にイギリスのマンチェスターで発生したテロは、現場が米人気歌手アリアナ・グランデのコンサート会場入口付近だったこともあり、世界中に衝撃を与えた。

「最近のヨーロッパのテロは、以前に比べて一般的な犯罪と表面上の区別がつきにくく、より『身近なもの』になっています」と話すのは、国際テロ情勢を研究する清和大学講師・オオコシセキュリティコンサルタンツアドバイザーの和田大樹氏。

「以前は入念な計画のもと、大規模なテロを実行することがテロリストの主なやり方でしたが、最近は大規模なテロが難しくなったために、一般市民が集まる場所、人通りの多い場所が狙われる傾向にあります。武器も手に入れやすいナイフや車で済ますケースが多い。テロが『より身近なもの』になってきているのです」

たしかに、4月20日にフランスでの発砲テロは、観光客で賑わう首都パリのシャンゼリゼ通りで起こったもの。6月3日のイギリスのテロは、ロンドン中心部のロンドン橋で自動車を暴走させて7人が死亡するというものだった。

2. 東京でテロ起こるなら…標的はラッシュ時の電車?

では、日本でテロが起こるとしたら、どんな場所が狙われるのだろうか?

和田氏は「テロは人が少ない場所で起こしても意味がありません。日本で狙われるとしたら、近年の世界的なテロ情勢を振り返っても、おそらく東京が第一に考えられます」と話す。とくに交通機関は狙われやすいという。

「たとえば、朝夕のラッシュアワーの電車やターミナル駅、国際空港などが考えられます。交通機関は被害が甚大になるし、2次的被害となる社会的なパニック(国際空港の封鎖、電車やバスのストップなど)を引き起こしやすいので、テロリストにとって格好の標的です。

なかでも危険なのが地下鉄や新幹線などの列車。密室で逃げ場がないうえ、乗車時に手荷物検査がなく、警備も手薄。テロを起こしやすい条件がそろっています

また、国や都市を象徴するシンボリックな建物も、世界に与えるインパクトが大きいため、狙われやすい。東京で、と考えると某タワーや人々で混み合うスクランブル交差点も思い浮かぶ…。

3. 欧州のようなテロの可能性は低い日本。でも2020年は…

もっとも、日本国内でイスラム過激派によるテロが起こる可能性はかなり低いらしい。和田氏によれば、近年の欧州におけるテロの実行犯の多くは「社会に対してなんらかの強い不満を持ち、イスラム国(IS)の過激思想に影響された若い移民の2世や3世など」。

「欧州では、大学を卒業しても見合った就職にありつけず、経済的に苦しい若者が多数います。その不満が、たとえば『自分たちの仕事を取るな!』など一部の移民へ向かい、移民側も差別されることで社会に対するフラストレーションを強めます。そこで、SNSなどを通じてISとコンタクトを取り、社会への不満を爆発させるためにテロ行為に及ぶ…。これが、最近のテロのトレンドです」

一方、日本はヨーロッパ諸国に比べて移民が少なく、イスラム教徒が極めて少ない。よってイスラム過激派によるテロが起こる可能性も低いのだとか。

ただし、2020年には東京五輪がある。テロの歴史を振り返っても五輪の年にテロが起こる確率は高く、2016年のリオ五輪でもイスラム国を支持する者たちによる未遂事案があったらしい。でも、こればかりは僕らに注意しようがない…、政府にがんばってもらうしかなさそうだ。

(森江利子/清談社)

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 このユーザーの他の記事を見る

Spotlight編集部の公式アカウントです。

権利侵害申告はこちら