近年、注目を集めている「エシカル(=倫理的)消費」。今年4月、消費者庁が「倫理的消費」調査研究会の報告書をまとめたことがきっかけで、ニュースなどで取り上げられることが多くなった。

「エシカル消費」とは、“人と社会、地球環境、地域のことを考慮してつくられたモノを購入あるいは消費する”という意味。

ただ、そういわれても、なかなかイメージしづらいものだ。具体的にはどのような消費活動、つまり買い物のことを指しているのだろうか?

【3つのポイント】
1)エシカル消費はエコだけでなく社会問題の解決にも貢献
2)日本で広まったきっかけは「被災地の応援」
3)大切な人へのプレゼントとしても胸を張って贈れる

エシカル消費はエコだけでなく社会問題の解決にも貢献

エシカル消費の一例を挙げるとすれば、発展途上国の製品を適正価格で継続的に購入することで認証される『フェアトレード製品』を買うことですね。エシカル消費はとても大きな概念なので、ほかにもいろいろな消費活動が含まれます」

こう教えてくれたのは、エシカル協会代表理事の末吉里花さん。フェアトレード製品は、購入することで発展途上国の労働者や生産者の生活を向上するといった効果が見込める。たとえば、日本に輸入されているものではコーヒーやカカオ、コットンなどが代表的だ。

このほか、地産地消や伝統工芸、障がい者のつくった製品、リサイクル製品、環境への負荷の低いものを選んで買う「グリーン購入」など、環境・人・社会・地域に配慮した消費はすべて含まれる。では、エシカル消費をおこなうことで、どのような効果が期待できるのだろうか。

自然環境を保護することや地域経済の応援になることは、日本国内でも想像しやすいと思います。世界に目を向けると、発展途上国で問題になっている児童労働や貧困などの助長を防ぎ、人々の生活改善と自立の支援を促進することにつながります」(末吉さん、以下同)

日本で広まったきっかけは「被災地の応援」

地産地消やリサイクル製品は前々から話題に出ることが多いが、なぜ今エシカル消費として、国内外問わず注目を集めるようになったのだろう。

そもそもの始まりは、1989年にイギリスの大学生が『ethical consumer(倫理的な消費者)』という雑誌を創刊したことです」

さらにさかのぼれば、イギリスは1940年代からフェアトレードに動き出しているため、けっして新しい考え方というわけではない。では、その考えが日本に広まったきっかけは?

2011年の東日本大震災を機に、日本全体の社会貢献意識が高まりました。その後、『応援消費』や『エシカルファッション』という言葉が使われはじめたのが、きっかけだと思います。フェアトレード活動をおこなう学生団体の発足や、学内の売店に企画提案し、フェアトレード認証製品を導入するなど、若い世代の動きが活発になってきています

2015年9月には国連で、2030年までに達成すべき目標を定めた「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択。「SDGs」とは、貧困や飢餓をなくし、エネルギー、社会的平和などを持続するための17の目標を指す。これにより、世界的にエシカルであることを重視する流れができているという。

大切な人へのプレゼントとしても胸を張って贈れる

日本国内でのエシカル消費は、間違いなく盛り上がってきているようだ。

「フェアトレード製品の国内取引総額は2015年に100億円を突破しました。つねに右肩上がりの状態です。今は高校の教科書に、フェアトレードを解説するページがあるんですよ」

ただ、フェアトレード製品やリサイクル製品、伝統工芸品などはじつのところ、価格の高い場合が多い。そのため、どうしても手が出しづらくなってしまいそうだが…。

「自分のために買うにはハードルが高いですよね。だから、大切な人へのプレゼントを選ぶときに、エシカル消費を視野に入れることをオススメします。オーガニックで体にやさしく、環境や社会にも配慮した製品なら、胸を張って贈れますよね」

プレゼント選び以外に、カーシェアリングや地元商店での買い物もエシカル消費といえる。日々のなかで、すでに環境や社会、地域に配慮しているかもしれない。

「エシカル消費を通せば、どんな人でも今日から世界が抱える問題を解決する力の一助になれます。買い物の視点を少し変えるだけでいいと思いますよ」

同じようなアイテムでフェアトレード製品とそうでない製品があった場合、フェアトレード製品を選ぶ。そのくらいの軽い気持ちでいいのかも。きっと「エシカル消費」という言葉を知っているだけで、意識は変わってくるはずだ。
(有竹亮介/verb)

【取材協力】
一般社団法人エシカル協会
http://ethicaljapan.org/

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