記事提供:おたぽる

さまざまな要望に応じるべく、まさに百花繚乱の時代を迎えているドローン開発の中で、またしても画期的なドローンが登場した。これまでのドローンとは一線を画す自由な飛行が可能になったのだ。

■水を得た魚のように空を飛ぶドローン

スイス・チューリッヒ工科大学の学生を主体とした研究開発チームは、9カ月の開発期間を費やして“自由”なドローン(マルチコプター)を開発した。まるで水の中を魚が移動するように“自由”な動きで宙を舞うことができるのだ。

Voliro(ボリロ)と名づけられたこの6ローターのドローンの最大の特徴は、すべてのローターの軸を回転させることができる点だ。つまり360度どの方向へも同じ体勢のままで飛行することが可能なのである。

出典 YouTube

Voliro(ボリロ)紹介動画「Voliro ETHZ」より。

もちろん飛行体勢を変えて飛ぶことも可能で、傾いた体勢や縦になったり、あるいは完全にひっくり返った体勢でも飛行できる。飛行の動きという面ではほぼ何の制限もなく完全に“自由”だ。

チューリッヒ工科大学の学生を中心にした11人からなる研究開発チームは、全方向への飛行を可能にするドローンを開発するという1つのコンセプトのもとにこのVoliroを開発した。

垂直の壁に対してお腹を向けた体勢でそのまま壁に沿って飛行したりすることもできるため、建物や施設の調査や検査などの業務に活用できることが示唆されている。

また軽量で扱いやすい点や大容量バッテリーによる長い連続航続時間、飛行前の準備にかかる時間の短さなども魅力的な特性として挙げられている。将来の実用化が大いに楽しみなドローンである。

■ボールをナイスキャッチするドローン

実は“全方向性”のドローンはひと足先にこの5月に登場している。

同じくスイス・チューリッヒ工科大学の研究機関・Institute for Dynamic Systems and Controlの2人の研究者が開発した正方形の骨組みのドローンは、その8つのローターがひとつとして同じ方向を向いていないという、これまた画期的な発想のドローンである。

さらに特筆すべきは、投げられたボールの軌道をアルゴリズムで予測し、着地点に先回りして装備している玉網でナイスキャッチするという離れ業をやってのけるのだ。Fetching Omnicopter(捕球するオムニコプター)と名づけられている所以である。

出典 YouTube

“捕球するオムニコプター”紹介動画「Dario Brescianini」より。

このドローンもまたさまざまな用途に活用できそうだが、すでに調査活動、検査、地図作成、捜索活動、レスキュー活動などに有効利用されているという。

そして現在は、機器の操作や構造物の組み立てなどの能力を持たせ、現場作業に活用できる機体にすべく開発中ということだ。

放り上げられたボールの軌道を超高速で計算し、素早く着地地点に移動してネットで捕球する芸当には驚かされるばかり。今後もどんな新型ドローンに目を瞠らされることか、その動向は目が離せない。

出典:New Atlas

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