2年前の2015年、「今後20年で消え行く職業が衝撃すぎる」という記事でコンピューターに奪われる確率が高い仕事を紹介しましたが、2017年になった現在、状況はどう変わりつつあるのでしょうか?

Windows95の設計に携わった世界的プログラマーの中島聡さんは、自身のメルマガ『週刊 Life is beautiful』の中で、ビジネスコンサルタント・赤羽雄二氏のインタビュー記事を読んだ感想という形で「10年以内になくなる仕事」について推察しています。

私の目に止まった記事

「数年以内に、レジ打ちという仕事がなくなる」赤羽雄二氏に聞く

赤羽氏には、3年ほど前に何回かお会いしたことがありますが、難しい話をとても分かりやすく説明してくれる人だというイメージが強く残っています。

その赤羽氏が、技術の進歩によりなくなる職業、逆に新しく生まれるチャンスなどについて述べた記事です。

赤羽氏は、記事中で「この10年のうちに、文字通り、運転機械操作倉庫作業レジ打ちなど肉体労働の大半がなくなる」と述べていますが、10年というスパンで考えるならば、肉体労働だけでなく、事務職にも大きな影響が出ると私は見ています。

特に事務職の中でも、創造性を必要としない、定型的な仕事をコツコツとこなしていくようなタイプの仕事は、ソフトウェアに置き換えられてしまう可能性が高いのです。

中島氏が予測する、近い将来この事務職がソフトウェアに置き換わる

分かりやすい例で言えば、サービス業の予約受付業務だとか、病院の保険の点数計算業務、などです。

そういった仕事は、すでに何年も前から、技術的にはソフトウェアに置き換え可能な業務でしたが、過去の経緯だったり、切り替えコストのためにかろうじて残っているだけの仕事だと思います。

最近は、そういった業務を代行するソフトウェアが、(パソコンにインストールする必要がある)パッケージ・ソフトウェアから、より安価で導入コストの低いウェブ・サービスにシフトしているため、一旦、シフトが進むと、加速的にソフトウェアに置き換えられて行くと思います。

逆に言えば、企業が必要としているその手の定型業務を自動化・簡素化するウェブ・サービス・ビジネスというのは、ターゲット層(業種)をある程度絞り込み、顧客の声を聞きながら丁寧に作り、改良し続けて行けば、(ハイリスク・ハイリターンな消費者向けのサービスと比べて)悪くないビジネスだと思います。

AIが返信文を作成するGmailの新機能に、中島氏が苦言

Gmailに新機能、AIがメールを解析し返信文作成!iOSにも対応

少し前の記事ですが、GoogleがGmailに自動的に返信文を作成してくれる新機能を追加した、という記事です。

Googleがこんな機能を提供する理由も分かるし、それを喜んで使う人たちがいるのも分かりますが、いつもいつも「いつもお世話になっています」などという定型文で始まるメールを読むたびに、逆に「疎遠さ」を感じてしまう私としては、あまり喜ばしくない機能だと感じました。

メールより、Facebook MessengerSlackが(私も含めた特定の層のユーザーに)良いとされる理由の一つが、その手の(時代遅れな)社交辞令を抜きにして効率よくコミュニケーションできる点にあります。

Gmailのこの機能により、(心のこもっていない)定型文が増えるのであれば、ますますメール嫌いな人々が増えてしまうのではないかと思います。

この記事を読んで最初に思い出したのは、星新一の「肩の上の秘書」というショートショートです。

未来の世界では、誰もが人工知能を持ったインコ型ロボットを肩に載せており、本人が要件だけを囁くと、インコが礼儀正しい丁寧な言葉で代弁してくれます。逆に、聞き手の方では、その丁寧な言葉をインコが聞いて、要点だけを説明してくれるのです。

ちなみに、(本題とは関係ないですが)会社でのコミュニケーションに欲しいと思ったのは、Slackと連動して動くミニブログ機能です。

特定のチャンネルに書くには個人の意見を反映しすぎており、かつ、わざわざブログの記事として書くのは大げさ、ぐらいなものを、SlackのIDを使ってつらつらと書ける仕組みです。

それならばSlackに個人チャンネルを立てれば良いと言う意見があるのも分かりますが、それを全員がするとチャンネルの数が増えすぎてしまいます。

そのあたりの「共通タイムライン・チャンネル」のようなもので、まとめつつ、ワンクリックで特定の人のタイムラインにアクセス出来るようになっていると、とても良いと思います。

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