仕事や普段の生活で使う機会の多いエクセル。あの機能どうやって使うんだっけ?どうしても時間がかかってしまうという人も多いのではないだろうか。簡単に使いこなせればいいのだが、エクセルは奥が深い。

今回紹介するのは、外資系投資銀行、ITベンチャーで「エクセルの鬼」と呼ばれる熊野整氏が、9割の人が知らないエクセルを速くするテクニックを全公開した『外資系投資銀行がやっている 最速のExcel』(KADOKAWA)。

この1冊でより速く、よりミスのない資料が作れること間違いなし!さっそく困った「エクセルあるある」を解決する、4つのスゴ技を紹介しよう。

あるある①:セルの移動がめんどくさい!

エクセルの作業は、とにかくセルの移動が多いもの。この移動をいちいち矢印キーやマウスでやっていると、とても時間がかかります。

セルを移動するときのショートカットは、[Ctrl]+[矢印]。下の図1のように、「1,155,000」のセルを選択した状態で[Ctrl]+[↓]を押すと、一番下のセル「708,500」までアクティブセルが瞬時に移動します。

マウスのホイールを延々と回し続ける必要がないので、特に大きな表だとこのショートカットだけでかなりの時間短縮になります。

あるある②:エクセルを開いて、これが何の表かわからない…

たとえば図2のように、最後に計算したのが人件費のセルであれば、次にファイルを開いたときには、その人件費のセルが最初に表示されます。

これでは、一緒に作業をしているチームのメンバーや上司、クライアントがファイルを開いた際、何の表なのかがわかりません。タイトルが見えるように表の上部に移動するという、余計な手間を相手に取らせることになります。

エクセルのファイルを閉じるときは、図3のように必ずアクティブセルをA1 に戻すこと。これは、ファイルを共有することの多いエクセルのマナーです。開いたときにタイトルがすぐ目に入るので、自分にとっても利便性を高めることになります。

アクティブセルをA1に戻すショートカットは[Ctrl]+[Home]。これを、ファイルを閉じる前の習慣にしましょう。

あるある③:ファイルがたくさんありすぎて、どれが最新かわからない…

エクセルファイルに修正を加えるたびにファイルを上書き保存すると、途中でミスが発覚してやり直しをする場合、どこの時点まで戻ればいいかがわからないため非常に時間がかかることになります。

そのため、ファイルを保存するときは「名前を付けて保存」にして、別ファイルにします。さらに、ファイル名に日付を入れ、いつの時点のファイルなのかがわかるようにしておきましょう。ファイル名の基本は「元のファイル名+日付+順番」。

2017 年1 月31 日に4 番目に作成したファイルなら、「Budget_20170131_4」です。(図4)。

ところがこのようにファイルを並べていくと、作業が進むにつれてファイルの数が膨大になり、どれが今作業をしているファイルでどれが過去のファイルなのかがわかりにくくなります。

そこで、図5のように「old」という名前のフォルダを作成し、過去の履歴として残すファイルはすべてそこに入れるようにしておけば、最新版のエクセルファイルがすぐにわかり、スムーズに作業が進められるようになります。

あるある④:計算まちがいに気づかない…

エクセルの表には数字が並んでいますが、数字だけを見ていてもなかなか不自然な点に気づきにくいものです。たとえば、次の表を見て何か違和感を感じるでしょうか。

すぐにわかった人もいると思いますが、これだけを見て「不自然な数字がある」とはなかなか気づきません。数字が並んでいるだけだと、その中で違和感を感じるのは難しいもの。

そこで活用したいのが、折れ線グラフです。先の表の売上を折れ線グラフにしたのが、下の表。これを見ると、5 年目の売上だけ急激に下がっていることがひと目でわかります。

このように、たくさん並んでいる数字は「折れ線グラフ」にしてチェックすることを覚えておいてください。

<プロフィール>

熊野整(くまのひろし)

ボストン大学卒業後、モルガン・スタンレー証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社し、投資銀行本部で大型M&Aや資金調達プロジェクトをリード。退社後はグロービス経営大学院にてMBAを取得。

その後、エムスリー株式会社に入社し、事業責任者として事業計画の立案から戦略遂行、予算管理まで行う。現在はスマートニュース株式会社にて、財務企画として収益計画の策定や資金調達を担当。

「グローバル投資銀行のエクセルスキルを、わかりやすく伝えたい」というモットーの下、2013年10月から週末や平日夜に個人向けエクセルセミナーを開催し、これまでにのべ1万人以上が受講する大人気セミナーとなっている。

大手上場企業を中心にコンサルティングを行うほか企業研修も数多く開催し、多くのビジネスパーソンに収益計画の作成指導を行っている。

著書に『外資系投資銀行のエクセル仕事術』(ダイヤモンド社)、『外資系投資銀行の資料作成ルール66』(プレジデント社)がある。

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