「加計学園問題」。テレビを見ていると「怪文書だ」「出会い系バーだ」と、なんだかわけがわからない報道がされています。

そもそもは、愛媛県今治市に獣医学部を作る計画が、岡山理科大学によって進められたことが発端。大学を運営する学校法人「加計学園」の理事長・加計孝太郎氏と安倍晋三首相が長年友人関係にあったことから、「特別な便宜がはかられたのではないか」という疑いが浮上しています。はたしてそんな動きがあったのか…? 問題の論点を整理します。

【3つのポイント
1.「疑惑」はどこにある? そもそもの流れはどういうものか
2. 官僚(文科省)vs.内閣 「出会い系バー報道」は政権側からの個人攻撃なのか
3. 獣医学部新設は必要なの? 獣医は足りているのか、いないのか

1.「疑惑」はどこにある? そもそもの流れはどういうものか

岡山理科大学が今治市に獣医学部を作る計画を打ち出したのは2007年、鳩山由紀夫内閣のときでした。

計画が急展開し始めたのは2016年以降です。安倍内閣によって、2016年1月に今治市が国家戦略特区(日本の成長のため、今ある法律や規制がゆるめられている経済特区)に指定され、2017年1月には獣医学部の新設が認められたのです。今治市が16.88ヘクタールの土地(約37億円相当)を建設用地として無償譲渡したほか、96億円の建設費を補助することも伝えられています。

なぜ急に新設が認められたのか? 2016年9月から10月にかけて文科省で「総理の意向」という文書が作成されていたことが明らかになり、“内閣府官邸から圧力があったのではないか”という疑いがもたれるようになりました。これが今回の話題の“そもそも”です。

2. 官僚(文科省)vs.内閣 「出会い系バー報道」は政権側からの個人攻撃なのか

少し話はズレますが…。長らく“官僚任せ”な状態が続いてきた政治の世界を「政治主導」(政治家が主導権を握る)に変えようと、2001年に「内閣府」が作られ、その後、権限が強化されてきました。

とくに2014年に内閣人事局(内閣が各省庁の人事を決める部署)が設置され、首相の意向を反映した人事がおこなわれるようになってからは、官僚は自由な発言ができなくなったといわれています。つまり、官僚や省庁に対して、内閣や首相の権限が強くなったということです。

そんななかで、獣医学部の新設について「官邸の最高レベルが言っている」と、内閣からの指示を示唆する文書が出てきたのです。

この文書について、政権側は「指示したことはない」と否定、文科省も「該当する文書の存在は確認できなかった」としています。しかし、前文科省事務次官(文科省のナンバー2)の前川喜平氏は、「この文書は確実に存在した」と証言。国会の証人喚問にも応じるとして、真っ向から対立しています。政権側の菅官房長官は、前川氏が「出会い系バー」に通っていたという報道に触れ、「強い違和感」と“口撃”しています。

3. 獣医学部新設は必要なの? 獣医は足りているのか、いないのか

鳩山内閣時代の2007年から2014年にかけて、今治市と学園は15回にわたって獣医学部の新設を提案しています。しかし、すべて却下。理由は、獣医師はすでに供給過剰気味であり「数の上では足りている」というものでした。

しかし最近は“鳥インフルエンザなどへの対応のために、現在獣医学部がひとつもない四国に設置が必要”というニュアンスの保守系メディアの記事も。いったいどっちなんでしょうか…。

政府(政権側)の答弁を聞いていると、答えをはぐらかし、誠実に対応しているとは思えない気も。真相の究明が待たれます。

(文/南英世)

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