記事提供:日刊SPA!

二日酔いとの付き合いは永遠のテーマとも言えよう。

社会人には付き物ともいうべき二日酔い。二日酔いを改善すると言われる方法はいくつかあるが、「迎え酒」のように酒を追加することで全ての痛覚を麻痺させ昇華させる手もある(あまりお勧めはしないが…)。

これより紹介する方法も同じく「酒」を使うが、その源流はなんといにしえの甲賀流忍者にまで遡る。

日本体育協会公認アスレチックトレーナーで、指圧師の芳原雅司氏は次のように話す。

「これは、手のひらで人肌に温めた少量の日本酒を正しいツボの位置に塗り、15秒ほどさすることで、炎症や不調が瞬く間に治まるというものです。日本酒にはアミノ酸やペプチド、有機酸、酵母菌、ビタミンなど約100種類もの栄養素が含まれており、マッサージの効果を最大限に引き出すことを先人たちは知っていたのでしょう」

◆二日酔いに即効性のある3つの箇所を日本酒でマッサージしていく

通常は筋肉と腱のダメージ回復に用いられるが、その真髄は内臓の調整にあるという。二日酔いで損傷を受ける内臓といえば、肝臓である。肝機能を回復させる箇所は3か所。

ここを“痛気持ちいい”程度の力加減で押しさすっていく。マッサージは日本酒を指につけた状態で行っていくのが基本。純米酒であれば成分の質も良く、効果的だという。

1. ツボ「不容」

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まず、用いるのは「不容」というツボ。みぞおちの中心から指幅3本分下、そこから指幅3本分右側にある。ここを15秒ほどグッと押す。押すのは右側のみ。

2. 恥骨のキワ

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次に恥骨の右側の骨のキワを左右に15秒ほどさする。

3. 恥骨からまっすぐ下りて最初に痛みを感じたポイント

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続いて、そこから太ももをまっすぐ下りて最初に痛みを感じたポイントを15秒ほど上下に押しさする。

4. さらに「2」、「1」に戻りながら15秒間ずつさすり、最後に手のひらでお腹全体を上下にさすれば終了。

以上が、二日酔いを短時間で改善させる方法である。甲賀流忍者も、二日酔いをこれで直していたのだと思うと多少のロマン(?!)も感じられるかもしれない。

近世になってこれを広めたのが、陸軍中野学校の講師で甲賀流忍術14世であった「藤田西湖」である。藤田は、幼少時より家伝の忍術を数々の修行を経て継承、その能力と技術を諜報活動に使っていたことから「最後の忍者」とも呼ばれている人物である。

そしてあるとき、陸軍中野学校に小山田秀雄という青年が入学し、藤田氏から忍術全般の薫陶を受ける。

その後、小山田は諜報員として潜入した中国・上海で捉えられ、ひどい拷問を受けてしまう。

そして「死ぬ前に希望があれば叶えてやる」と看守から言われた際、一杯の日本酒を所望した。

そのコップ一杯の酒を使って、小山田は陸軍中野学校で習ったマッサージを自らの体に施して傷を回復させ、看守に当て逃げを食らわせて脱獄、無事に日本へ帰り着いたのだった。

終戦後、小山田は治療家として日本各地を転々と渡り歩き、そうした中で名古屋の鉄工所の作業員たちの治療にも当たっていた。その鉄工所の社長こそが、のちにそのマッサージ法を世に広めることとなる右近克敏の父親だった。

右近克敏は小学生の頃から小山田氏の助手を務め、20代で名古屋に「千代田治療院」を開業。小山田氏から受け継いだ日本酒マッサージを用いて、アントニオ猪木を始め数多くのプロレスラーや患者の治療にあたった。

前出の芳原氏は右近氏に7年間師事したのち、これを受け継いだのである。

現在、日本酒によるマッサージは短期間で傷や痛みを修復しなければならないアスリートやスポーツ選手たちの間で必要不可欠な治療法として活用されており、吉田沙保里や伊調馨、棚橋弘至など日本を代表するアスリートたちもこぞって称賛している。

ほかにも、芳原氏の著書「忍者マッサージ」には頭痛や胃もたれ、肩こりからアンチエイジングまで幅広く網羅されている。忍者に倣い、素早く不調を回復したい人はぜひ参考にしてみよう。

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