記事提供:Conobie

ツイッタ―で大人気“あおむろひろゆきさん”の書籍「新米おとうちゃんと小さな怪獣」。パパの等身大の言葉に、笑いそして涙する。全6回に分けて、エピソードをご紹介します。

エピソード1「始まりの水曜日」

始まりの水曜日。

ちょっと遅めに起きて美味しいパン屋さんのクロワッサンを食べて、洗濯をして、テレビを見て、お昼前に妻とふたりだけの壮行会をしました。

応援団長(私)あいさつの後は妊婦宣誓。

晴れやかな顔でハキハキと宣誓する妻に、もう一度大きなエールを送ります。

その後静かになったリビングで深呼吸をして、家を出ました。

外は柔らかい日差し。

病院に到着してからは、わりとふたりきりの時間が多かったので、ビデオカメラでインタビューを撮ってゲラゲラ笑ったり、いろいろな話をしました。

「唐揚げとクレープとお寿司とラーメンとパフェと生春巻きが食べたい」と言うので、「全部食べに行きましょう」と約束をしたっけな。

そうこうしているうちに、看護師さんが来て妻を見送り、そこからはもう生きた心地のしない時間を過ごしました。

新生児室の前でじっと目を閉じていると、30分ほどした頃に看護師さんがスーッと近づいてきて「はい生まれましたよ」と赤ちゃんをカートで運んできたので、思わず叫んでしまいました。

心の準備もできないままに対面した赤ちゃんは、とても小さくて、かわいくて、穏やかな寝息を立てています。

それは、自分の歩んできた人生が、全て肯定された瞬間でした。

しばらくすると、妻がストレッチャーに横たわって運ばれてきて、涙をポロポロ流しながら「赤ちゃんはどうですか?」と聞くので「とっても元気で、かわいい赤ちゃんですよ」と伝えました。

「良かった」と微笑む妻の顔を見て、全身の力が抜けてバターン!と倒れそうになった覚えがあります。

病院にいる間は絶えず何かをしていたので、感傷にひたる暇もなかったけれど、その後誰もいない家に一人で帰ったら、感動の波が押し寄せてきて、静かに叫びました。

結局そのまま全く眠れず、興奮を静めるために、家にある服全部をクローゼットから出してきれいに畳み直したりしながら長い夜を、過ごすことになります。

徹夜明けに見た朝日がとても眩しくて、スキップをしながら会社に行きました。

お子さんが生まれ、新しい家族が始まった日のことをあなたは覚えていますか?

ママにも、パパにも、そしてきっと赤ちゃんにも。

それぞれに感じることが、いっぱいあったのではないでしょうか。

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