昨年行われたアメリカ大統領選挙で、当選したドナルド・トランプ陣営がロシア政府と共謀していたという疑惑が浮上。なんでも、ロシアがサイバー攻撃により介入し、トランプ陣営に有利な工作をしたのでは?と言われています。

トランプ大統領は「証拠はない!」と公言していますが、疑惑の声は高まるばかり…。このままいくと、トランプ大統領はどうなってしまうの? 失脚なんてこともあり得るの
でしょうか?

【3つのポイント】

1. 汚職や不正により追い込まれ、大統領が失脚することはあり得る
2. 大統領の退任には前例がある
3. もし大統領が退任したら、副大統領が大統領になる

1. 大統領が失脚することはあり得るの?

大統領の汚職や不正に対し、世論の声が高まり、辞任に追い込まれるということはあり得るよう。

日本では国会で内閣不信任案が可決された場合、首相が衆議院を解散するか内閣が総辞職するということが法的に定められています。

アメリカにも似たような制度があり、アメリカ合衆国議会を構成する二院のうち、下院が過半数の賛成で弾劾裁判を申し立て、上院が裁判を行い、3分の2の賛成で辞めさせることができます。

この制度が実際に使われたことはありませんが、実際に大統領が失脚したことはありました。

2. 大統領の退任には前例がある

前例として、1974年にリチャード・ニクソン大統領(共和党)が退任したウォーターゲート事件があります。この事件は、1972年のニクソン再選をめざすアメリカ大統領選挙で、対立陣営の民主党側に盗聴器をしかけようとし、警察に逮捕されたことからはじまりました。

事件が発覚するとホワイトハウスがもみ消しにかかわるも、世論からの反発も高まりました。そして、下院の司法委員会が弾劾の決議を採択し、上院の共和党議員もニクソン不支持を表明、結局ニクソン大統領は辞任しました。

でも、このように大統領が任期途中で辞任したら、どんなことが起こってしまうのでしょう…。

3. 退任後は副大統領が大統領になる

実は、アメリカ大統領が任期途中で退任したり亡くなった場合、「だれが残りの任期を担当するのか?」が統領継承法という法律で定められています。

それによると継承順位1位は、副大統領です。現在の副大統領は、共和党内では保守派として知られるマイク・ペンス氏。以下、下院議長、上院仮議長、国務長官、財務長官…と続き、第18位までが定められています。このようにだれが大統領になるのかがはっきりと決まっているので、急に「次の大統領選挙を行う!」ということはないのです。

ニクソン大統領が退任したときにはジェラルド・フォードが副大統領から昇格し、大統領に就任しています。

また、任期途中で暗殺された大統領もいました。ジョン・F・ケネディ氏です。1963年11月に暗殺されたケネディ氏は、本来ならば1965年1月まで大統領の地位にあるはずでした。このときにはリンドン・ジョンソン副大統領が昇格し、任期を務めました。なお次の大統領選挙でも当選しています。

トランプ大統領が当選して以降、アメリカの政治は混乱しています。しかし、仮に大統領が退任するようなことになっても、政治の混乱を防ぐ制度がセッティングされているのです。とはいえ、トランプ大統領が辞任となったら、大騒ぎになるとは思いますが…。

(小林拓矢)

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