私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「本部による加盟店いじめ」に続いて、今回取り上げるのは、ドリンクなどが陳列してある巨大な冷蔵庫の裏側について。

いつもは欲しい飲み物を手にしたら、さっさとドアを閉めてしまうコンビニの冷蔵庫ですが、実はその裏側ではメロドラマ顔負けの人間ドラマが、繰り広げられているようで…。

冷蔵庫の中から視線を感じるワケ

コンビニに行ってドリンクを買おうとして、冷蔵庫のドアを開けた時に、奥から視線を感じたことがある…そういった経験のある方は結構多いのではないでしょうか?

ペットボトル飲料などが並ぶ「リーチインケース」と呼ばれる大きな冷蔵庫ですが、通常の店舗の場合、お客さん側の「リーチインドア」と従業員側の「ウォークインケース」は、一体となっています。

ウォークインケースとは、ウォークインクローゼットの冷蔵庫バージョンとイメージすると、わかりやすいかもしれません。

店員はそのウォークインケース側から、ペットボトル飲料などの品出しを随時行っているのですが、その際にお客さんと視線が合ってしまうことがあるワケです。

なかには商品を取ろうとしたお客さんと、品出しをしている店員の手が触れあってしまうこともあるそうです。

そんなウォークインケースの内部ですが、お客さんからも見えにくいうえに、店内にいる店長からのチェックも入りにくいという、いわばコンビニの中の死角となっています。そのため、大きな声では言えないような様々な出来事が発生します。

従業員同士の「愛の巣」に

男女二人のアルバイトが、ウォークイン内の商品整理や品出し作業を行っている際に、よく発生するケースです。

ウォークインケースのドアを何気なく開けたら、抱き合っている男女の姿が…そんなエピソードを、これまでいろんな店の店長さんから聞いたことがあります。

ただ、これが互いに独身の若いカップルなら、まだ爽やかさがあります。しかし、愛にはいろいろな形があるもので、なかにはケースのドアを開けたことを思わず後悔してしまう、そんな醜悪なシーンに出くわしてしまうこともあります。

ドアを開けると店長とパートが…禁断の現場

とあるコンビニの本部担当者が目撃してしまったのは、店長とその店で働く主婦パートが禁断のダブル不倫行為を行っていた現場でした。

夕方の時間帯に、自分が担当する店を訪問した社員さん。店内に店長の姿が見えなかったので、「外出中だろうか」と考えながら、いつものように店内のチェックを行い、その流れでウォークインケースのドアを開きました。

すると、奥の方でガサゴソと物音が聞こえたのです。目を凝らして見てみると、慌ただしく着衣の乱れを直している店長と主婦パートの姿がありました。

この店舗の夕方時間帯はアルバイトが2名しかおらず、レジ作業だけで手一杯になっていました。そのためアルバイトが品出し作業を行うことはめったになく、2人はその隙を突いて逢瀬を重ねていたのでした。

冷蔵庫の「私物化」でクレーム発生

アルバイトが休憩中に飲み食いするために、勤務先の店で飲み物や食べ物を購入するのはいいのですが、なかにはそれをお店の冷蔵庫に保管するという不届き者もいます。

「それのどこがダメなんだ?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、問題はそのキープしていた商品を、別のアルバイトがうっかり品出ししてしまうことがあるからなのです。

誰も気付かないまま、お客さんがその商品を手に取ってしまうと、さぁ大変。レジに持ってきた際に、すでに購入済みの商品であることが発覚し、「この店は飲みかけの商品を販売しているのか!」とクレームになってしまうのです。

このように大きな問題に発展してしまう可能性があるため、だいたいの店舗では冷蔵庫内にそういう紛らわしいものを置いておくことはタブーとされているようです。

しかし主婦パートさんのなかには、休み時間中に近隣のスーパーで夕食のお買い物をして、それをコンビニの冷蔵庫で保管しているというツワモノもいたそうです。

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで:u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

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