記事提供:サイゾーウーマン

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痴漢被害を訴えられて自殺…冤罪の場合、遺族は訴えた女性に慰謝料請求できるのか?

5月12日未明、JR上野駅で痴漢を疑われた男性が逃走し、ビルから転落死する事件が起きた。男性は、京浜東北線の車内で女性に「手を握られた」と訴えられ、上野駅で降ろされた後、駅の事務室で事情を聞かれている途中、隙を見て突然逃げ出したという。

その後、周辺を捜索していた警察官が近くのビルとビルの隙間で倒れている男性を発見し、死亡が確認された。警察は自殺の可能性が高いと捜査を進めている。

痴漢で起訴された被告が裁判で無罪となった例もあるが、刑事事件で起訴されると有罪になる確率が99%といわれており、現実的には痴漢の冤罪が認められる確率はかなり低い。

だが、もし今回の痴漢が冤罪だった場合、男性の遺族が女性に慰謝料を請求することは可能なのだろうか?アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

「一般に、加害者(この事件の場合、痴漢被害を訴えた女性)が行った不法行為に対して、被害者(死亡した男性)が持つ損害賠償請求権は相続されます。また、近親者は加害者に対する固有の慰謝料請求権利が認められる場合もあります。

したがって、配偶者などの相続人や、親・きょうだいなどの近親者は、加害者に対して損害賠償請求ができる場合があります。もっとも、損害賠償請求が認められるためには、加害者に故意(わざと)又は過失(うっかり)が必要です。

男性が痴漢ではないのをわかっていながら、女性が虚偽の供述をしたなどの事情が発覚しない限り、女性の故意又は過失はなかなか認められないでしょう」

つまり、今回のケースは、男性の遺族が痴漢を訴えた女性に損害賠償を請求しても、認められる可能性が低いということになる。

本当に痴漢行為があったかどうかは定かではないが、いずれにせよ、男性の遺族はもちろんのこと、被害を訴えた女性にとっても、最もつらい結果になってしまったのではないだろうか。

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