安倍晋三総理の知人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」が愛媛県今治市に新設予定。これに関する“ある文書”の存在が新聞で報じられ、注目を集めている。しかし森友学園問題といい、この加計学園といい、マスコミでは大騒ぎされてるけど、情報が多すぎてどんな問題なのかわかりづらいのも事実…。いったい安倍総理は何を追及されているんだろうか?

【3つのポイント】
1.安倍総理と関係の深い加計学園がタダで土地を入手…
2.加計学園へ特別なはからいがあった「決定的な証拠」が出てきたとのスクープ!
3.首相側は“文書は誰が書いたかわからない”と反発!

1.安倍総理と関係の深い加計学園がタダで土地を入手…

この問題の本質は、ひと言でいえば「政治の私物化」が疑われている点にある。加計学園は岡山県を本拠地とし、全国に5つの大学などを運営する学校法人。安倍総理と同学園の加計理事長は、若かりし頃にアメリカの留学先で知り合い、以来、ゴルフをしたり昭恵夫人を交えて会食したりと、家族ぐるみでつき合ってきた30年来のお友だちだという。もちろん、これだけなら何も問題はない。

ところが、この加計学園が愛媛県今治市に新設する獣医学部をめぐり、行政側から厚遇されていたことが表面化した。たとえば、獣医学部の新設予定地は、広さ16.8ヘクタール、評価額36億7500万円もの土地なのに、今治市からタダで同学園に譲渡され、おまけに同学園には愛媛県と今治市が96億円もの補助金を支払っていたという。安倍総理のお友だちに対して行政が特別なはからいをしているように見えるのは、森友学園と同じ構図だ。

2.加計学園へ特別なはからいがあった「決定的な証拠」が出てきたとのスクープ!

最大のポイントは、この「特別なはからい」が「安倍総理の意向」を受けたものだったのかどうか。森友学園問題では、財務省が安倍総理(や昭恵夫人)の意向を「忖度」して(=配慮して)国有地を超格安で譲ったのではないかと騒ぎになったが、安倍総理はそれを強く否定。加計学園についてもやはり「加計学園から私に相談があったことや圧力がはたらいたということは一切ない」と国会で答弁し、「もし働きかけて決めたならば責任を取る」と猛反論していた。

そこに出てきたのが、今回報じられた「決定的な証拠」だ。朝日新聞は、文部科学省関係者から入手したとして、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」という文書をスクープ。それによれば、獣医学部が新設される予定の“国家戦略特区”を担当する内閣府が、文部科学省に「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言ったらしい。これが本当なら安倍総理による「政治の私物化」の動かぬ証拠となるため、注目されているのだ。

3.首相側は“文書は誰が書いたかわからない”と反発!

では、安倍総理は国会でウソの答弁をしたのか? すでに、最大野党の民進党はこの問題について調査するチームの立ち上げを決め、事実関係をただすため衆院予算委員会の“集中審議”開催を求めると話している。

一方、首相官邸の司令塔である菅 義偉官房長官は、5月17日午前の記者会見で「決定的な証拠」について「総理から一切指示はない」と全否定。「作成日時も作成部局も明確になっていない。通常、役所の文書にそういう文書はない。誰が書いたものか分からない」と、まるでニセモノと言わんばかりだ。

いずれにせよ、森友学園では「忖度」という言葉で見えなくなっていた問題の本質が、「政治の私物化」への疑いにあることはわかったはず。それがあったかどうかは、今後の成り行きを見守るしかなさそうだけれど…。
(真島加代/清談社)

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