過疎化が進み高齢者ばかりになった限界集落が社会問題となって久しいですが、高齢化の波は都会にも押し寄せています。近年問題視されているのが、老朽化が進み改修もままならず買い手もつかない管理不全マンションです。

無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション事情に詳しい廣田信子さんは、最近「限界マンション」と呼ばれるこのような建物がなぜ生まれてしまうのかを考察するとともに、京都のとあるマンションが行う「管理不全に陥らないための取り組み」も紹介しています。

「限界マンション」???

こんにちは!廣田信子です。

5月13日のNHK「おはよう日本」見ましたか?「限界マンション」がテーマでした。NHKの定義では、「限界マンション」とは、老朽化が進み管理や修繕が行き届かず価格を下げても買い手がつかないマンション

2月にNHKの取材班が、「管理不全マンションの取材をしたいので、取材できそうなところを教えてほしい」と来られたときのものが形になって番組になったのか…と見て気づきました。

こんなにひどいマンションがあります…の事例が、リゾートマンションや特殊事情のあるマンションになってしまうのは、仕方がないのかな…。でも、脅すだけでなく、対応策も示していたのは、番組としてはバランスがとれていたのかな…と。

「限界マンション」になるのを防ぐ方法はあるのか?

で、なぜ「限界マンション」になるかを、修繕積立金不足と滞納、すなわちお金の問題ととらえていました。

修繕積立金不足
に陥らないためには、長期修繕計画を立て、修繕積立金を段階に上げていくのではなく、必要額を最初から均等方式で積み立てるべき…とお約束の解説がありました。

滞納
に関しては、管理組合が、法的な手続きを経て滞納がある部屋を競売にかけ所有者を変える

競売で買い手がつかなかった場合は管理組合が費用を支出して部屋をリフォームし中古マンションとして不動産市場で売却する。ということを実施にやっている事例が紹介されました。

で、高齢化が進み、金銭的な問題を抱える人が出ることに備えて、滞納者を追い出すのではなく、救済する仕組みを整えた管理組合として西京極大門ハイツが紹介されていました。

管理組合が実施するリバースモーゲージです。管理費等が不足した場合、住まいを担保にお金を借りられ所有者が亡くなったときに借り入れを返済する仕組みです。

管理費払えなくなっても住み続けられる安心

西京極大門ハイツの取材では、数々の先駆的な取り組みを話された中で、この部分が番組で取り上げられたと思います。いざというときにこの制度があって安心だという居住者の声も放映されました。

高齢居住者が多くなった高経年マンションでは、お金の心配をなくすことが将来への投資のモチベーションに繋がります

たとえ、多少の貯金はあっても、将来何があるかわからない…自分の寿命を考えたら将来への投資より、貯金を減らしたくない…と考えるのは高齢者の方にとってごく普通のことだと思います。

いざというときのお金の安心」があれば、マンションの住環境を向上させることに反対する理由はなくなります

たぶん、ほしいのは「安心」で、実際にリバースモーゲージを利用する人は、ほとんどいないと思います。

で、リバースモーゲージを実施するためにも、市場価値を維持することが重要だということは、将来への投資に対する非常に大きな意味づけになります。

「安心」と「市場価値」は、切り離せない関係

安心市場価値は切り離せない関係です。これをリンクさせる仕組みを実践している西京極大門ハイツには、ほんとうに学ぶところがたくさんあります。

私は、佐藤理事長が話をされる映像を見て、やっぱり「品格」と「愛」があるな~と。仕組みだけでなく人間性も学ばなくちゃ…思いました。

番組出演者は、みごとに知り合いばかり(笑)。この世界は狭いな~と思いつつ、皆さん、たぶん、思っていること、しゃべったことのほんの一部だけの放送で、ちょっと足りない感あるのではないかと…。

また、しっかり話をして頂くチャンスをつくれたらな…と思いました。

以前に書いたように、管理組合にお金があることは大事です。

管理組合にお金があることは大事

また、「管理不全マンション」から「限界マンション」という呼び名に変わっていくことで、何か、責任の所在が不明確になっていくようでそこは気になっています。

管理不全マンションの責任は誰に

最近、社会問題化していこうという傾向が強くなっていて、それを歓迎する向きもありますが、大多数の自分たちで頑張って管理しているマンションのモチベーションを下げるようなことがないように…と願います。

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