記事提供:おたぽる

ドレスコードを設けている宗教は少なくないが、もっとも目立つ宗教的装束はやはりイスラム教圏の人々の服装だろう。

敬家なムスリムだとしても、中にはコスプレへの興味が芽生え、やってみたいと思う人もいる。そこで登場したのが「ヒジャブ・コスプレ」イベントだ。

出典 http://www.thestar.com.my

「The Star」より。

■ヒジャブ姿で参加できるコスプレイベントが開催

ムスリム(イスラム教徒)の女性が頭部を覆っている布はヒジャブと呼ばれ、今や日本でこの格好の女性を見かけることも珍しくなくなっている。

外出の際には常に着用が義務づけられているヒジャブだが、ムスリムの中にも当然、アニメやマンガなどのオタクカルチャーに興味を持ち、コスプレをしてみたいと思う向きもあるだろう。

そんな要望に応えて、ヒジャブ姿で参加できるコスプレイベントが先ごろ開催されていたのだ。

マレーシア・クアラルンプール郊外の都市、スバン・ジャヤで先の4月29・30日に開催された「Japan Otaku Matsuri」で、マレーシア初となるヒジャブを着用したコスプレベントが開催され、ムスリムのコスプレイヤー約20名が思い思いのキャラクターのコスプレを披露した。

多くのイベント参加者が“ヒジャブコスプレイヤー”の写真を撮って楽しんだということだ。昨今はヒジャブのカラーバリエーションが多彩になっていることもあってか、工夫すればコスプレのイメージを損なうことなく“ヒジャブ版”が可能になるようだ。

そんなヒジャブコスプレイヤーである21歳の女子大生、ヌー・アズリナさんは日本のスーパー戦隊シリーズ『忍風戦隊ハリケンジャー』のハリケンブルーのコスプレを披露【注:「Japan Otaku Matsuri」を報じる「The Star」記事では映画『パワーレンジャー』のコスプレとあるが、おそらく誤り】。

ヒジャブはコスプレには何の障害にもならないと話し、目にした多くの人たちからポジティブな反響を受けているということだ。また“ヒジャブコスプレ”の秘訣について話し合ったりして活発な情報の共有が行なわれたという。

「ある人々はコスプレでもヒジャブを着けているのを見て驚きますが、私には煩わしくはないのです。家族も友人も私の活動をサポートしてくれるし、誕生日会にコスプレで来るように呼ばれることもあります。私はコスプレを愛しているし、コスプレのコミュティで多くの仲間ができています」(ヌー・アズリナさん)

■オタクカルチャーのダイバーシティが進む

男性には義務づけられていないヒジャブだが、今回のイベントに『五星戦隊ダイレンジャー』のキバレンジャーで参加した男性コスプレイヤーのラジャ・ムハマンド・ルシディさん(20歳)は、今回の企画でさらにムスリム女性のコスプレへの関心を集めることを望んでいる。

「私は彼女たちをサポートします。もし彼女たちがキャラクターを愛し、なり切ってみたいという情熱があるのから、コスプレをすべきなのです」(ラジャ・ムハマンド・ルシディさん)

ご存知の通り、今や世界中で楽しまれている日本発のコスプレだが、ここマレーシアでも20年も前からコスプレ愛好家のコミュニティができていて、イベントが定期的に開催されているということだ。

「信教の自由」を保証しているマレーシアだが、イスラム教が国教で国民の6割をムスリムが占めているといわれている。その意味で“ヒジャブコスプレイヤー”はこの地で登場すべくして登場したとも言えるだろう。

ムスリムのコスプレイヤーの存在は、マレーシア以外の東南アジアの国々で数年前から確認されているが、20名もの“ヒジャブコスプレイヤー”が一同に介したのは今回が初めてのようだ。

もっとも、ムスリムのキャラクターがもっと増えれば、“ヒジャブ版”の必要も薄まってくることにもなる。日本発のコスプレもその地域ならではの独自の発展を遂げているようで興味深い。オタクカルチャーの多様性が自然な形で進んでいるようだ。

出典:The Star

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