1995年にサービスが開始されるや、手頃な端末価格や通話料が受けに受け、若者を中心に爆発的な人気となったPHS。

ケータイが高嶺の花だった当時、ピッチの愛称で親しまれたこのサービスを利用した方も多いのではないでしょうか。

そんなPHSの国内唯一の事業者・ワイモバイルが、2018年春に新規契約・機種変更を停止するとことが先日発表されました。

メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、著者のスマホジャーナリスト・石川温さんがこれまでのPHSの歴史を振り返るとともに、XGPフォーラムが見せる「不穏な動き」について業界関係者の指摘を含めて記しています。

ワイモバイルが2018年3月にPHSの新規受付を終了へ――停波へのカウントダウン。周波数はあの規格に乗り換えか

ワイモバイルが2018年3月でPHSの新規契約機種変更を停止すると発表した。サービスを完全に停止する「停波」はまだ先のことになるだろうが、いよいよPHS消滅に向けてのカウントダウンが始まったことになる。

DDIポケット、ウィルコム時代を振り返ってみると、不遇なサービスではあったものの、PHSは実に長い間、現役サービスとして生き続け、個性的な端末やサービスを出し続けてきたと思う。

Windows Phoneを採用した「W‐ZERO3」なんて、スマートフォンの先駆けと言えるし、音声端末として異例のヒットを飛ばした「HONEYBEE」も記憶に新しいところだ。

サービスに関しても、通信カードでいち早くデータ接続の定額制を実現し、さらに通話でも「だれとでも定額」を提供してきた。

会社自体は小さく、PHSという1990年代から提供してきた技術をずっと使い続けて、ケータイキャリアの第3世代携帯電話やLTEと戦ってきたのだから、なんと無謀だったことか。

会社としては傾いてしまったが、よくぞこれまで、この20年耐えてきたと思う。

気になるPHS停波のタイミングと、ソフバンの目論見

今後、気になってくるのが、いつPHSが停波されていくかという点だ。

音声端末に関しては、スマホや通話に特化したVoLTE対応端末がワイモバイルから発売されることもあり、さほど心配する必要は無いだろう。

通信モジュール関連も、ここ最近は低消費電力な技術も相次いで登場していることから、乗り換えの目処も立ちつつあるのかもしれない。

ソフトバンクとしては、早いタイミングでPHSを停波する可能性もありそうだ。ただ、PHSを停波するとなると、1.9GHz帯を使わなくなってしまうことになる。

電波を国に返すという選択肢もあるが、ソフトバンクとしては、新たに活用方法を探っていてもおかしくない

そんななか、不穏な動きが見えるのがXGPフォーラムだ。XGPフォーラムでは、アンライセンスバンドでLTEを提供する「MulteFireに前のめりで参加している。

世界的には5GHz帯でLTEを提供しようという流れだが、業界関係者は「1.9GHz帯がアンライセンスなのかという定義はよく考える必要があるが、ソフトバンクとしてはPHSを停波したあとにMulteFireを導入すると考えてもおかしくはない」と指摘する。

PHSで使っていた周波数帯をMulteFireとして再利用できるようになれば、相当な周波数帯を稼げることになるし、新たなビジネスチャンスも広がる

ウィルコムが経営に失敗し、ソフトバンクが救済したときは、かなり安い値段で買い叩いた感があったが、基地局やTD‐LTE、さらには1.9GHz帯の周波数など、今から思えば、相当お買い得な買い物であったことは間違いないようだ。

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