記事提供:日刊SPA!

当時の寝たきりの様子を再現しながら、すべての連絡先を削除したスマホを見せてくれた飯田さん。「電話が鳴ると面倒に感じつつも、少し嬉しかった」と複雑な心境は話す。

「以前は人付き合いもいいほうだったけど、これまでの人間関係を一気に遮断。スマホ内にあった電話帳データ300件分を削除しました」と極端な行動に出たのは、2年前に引きこもり生活に陥った飯田浩介さん(仮名・38歳)。

最近、引きこもりを脱したことで取材に応じ、当時を振り返ってくれた。彼が自虐うつに陥ったきっかけは親との確執だった。

「父が社長を務める会社に次期社長候補として勤務していたんですが、経営方針を巡って対立。反抗心から欠勤を繰り返すうちに、すべてが嫌になったんです」

最初は親を困らせたいという些細な気持ちだったという飯田さん。だが「僕がいなくても会社が回る」ことを知り、意固地になって外出すらしなくなったという。

「最初は友人から電話がかかってきたんですが、それも嫌になり、もう誰とも連絡とりたくなくなって、データを全部削除しちゃいましたね。でも、どこかで繋がっていたかったんでしょうね。その証拠にスマホの契約は解約しませんでしたし、5分おきに着信がないかチェックしていたのを覚えています。スマホは常に手放せない状態でした」

飯田さんの救いは、70歳になる母親が健在だったこと。1か月以上部屋から出ないときもあったが、母親が食事などは部屋まで運んで来てくれたという。

「風呂に入らないことで、頭に垢が溜まるのが辛かった。銀河鉄道999で星野鉄郎がメーテルに『風呂に入らなくても死なない』って言うシーンがありますが、嘘ですね。1か月で限界です」

母親の説得に応じ、引きこもり生活から現在は脱け出ることができたが「いつでもあの生活に戻れる」と得意気に話す飯田さん。自虐うつからの完全復帰には、もうしばらくかかりそうだ。

週刊SPA!5月16日号では、「死を招く自虐うつの正体」という特集を組んでいる。決して他人事ではない悲劇を予防するためにもぜひご一読を。

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