名古屋市の名物市長、河村たかし氏。 一部で「選挙モンスター」と呼ばれるほどとにかく選挙に強く、4月23日の名古屋市長選挙では、2位の候補者の倍以上の票を得て(なんと25万票差!)4回目の当選を果たした。そんな河村市長がここまで政治家として人気を得ている理由とは…?

【3つのポイント】

1. 河村家は地元・名古屋の旧家。古くからの「地縁」が武器

2. 方言を使った選挙戦で地元住民にばっちりアピール
3.「庶民的」で「派手」な政策が名古屋市民の性格にマッチ

1. 河村家は地元・名古屋の旧家。古くからの「地縁」が武器

名古屋市の自営業を営む家庭の長男として生まれた河村市長。河村家は江戸時代には尾張徳川家に仕えた、なんと400年前もの前から名古屋にゆかりのある家柄だそう。

16年間国会議員として活動した後、2009年に名古屋市長選に立候補。そこで過去最高となる約51万票を獲得し当選、現在は名古屋市長として9年目(!)に突入する。政治家にとって、地元との「地縁」があるかどうかは、支持基盤や金銭の面でとても重要。まずはこの地盤が、河村市長の大きな強みと言えそうだ。

出典 http://takashi-kawamura.com

(河村たかし公式HPより)

2. 方言を使った選挙戦で地元住民にばっちりアピール

河村市長といえば、SNSをはじめ、マスメディアに露出する記者会見でも「名古屋ことば」を使っている印象が強い。しかし、プライベートは標準語で話すそうなので、これはおそらく戦略的なプロモーション

選挙コンサルタントである三浦博史氏の著書によると、この方言によるアピールは選挙において非常に有効だそうで、個性のアピールになるだけでなく、地元住民の郷土愛を喚起させる効果があるそうだ。選挙の際に地元・中日ドラゴンズの帽子をかぶるのも、同じようなアピール効果が見込めそう。

3. 「庶民的」で「派手」な政策が名古屋市民の性格にマッチ

また、自らを「庶民派議員」と打ち出す河村市長は、議会と対立してまで議員報酬をカットし、市民のために減税したという実績も。

一方で、「名古屋天守閣の木造化」や「758(なごや)タワー構想」など、“庶民ウケ”が狙える派手な政策も提案しているが、文化人類学者の祖父江孝男氏の著書によると、「名古屋の人は倹約家でありつつ、派手さ豪華さを好む傾向がある」とのこと(確かに、名古屋の結婚式は豪華な印象…!)。

意図したものかそうでないかはともかく、河村市長の「庶民派感覚」と「派手さ」が共存したな政策は、まさに名古屋の市民性に合っていると言えるのかも。

その人柄と戦略で名古屋市民のココロを掴んできた河村市長。しかし、市長選の投票率自体は下がっており、今年の選挙では腹心であった元副市長との一騎打ちになるという一幕も。

長年続く河村市政の評価に見直しが必要だというサインともとれるこの兆候。厚い支持の一方で、これから“マンネリ”とのきびしい戦いが待っていそうです。

【参考資料】

河村たかし 気さくな68歳 | 減税日本代表
名古屋市長選、現職・河村氏が4選
名古屋市長、副市長2人の人事案固める
・祖父江孝男「県民性の人間学」(新潮社)
・三浦博史「勝率90%超の選挙プランナーがはじめて明かす!心をつかむ力」(スバル舎)

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