憲法記念日から盛り上がりを見せる「教育無償化」に関する議論

こんにちは、長谷川豊です。

今週は少しだけ真面目なお話なのですが、安倍総理の憲法記念日に発したビデオメッセージの中での発言=「2020年には憲法の新しい条文を施行したい」~に対して、多くの方からメッセージや質問をいただいています。

出典 YouTube

私は維新の人間ですので、特に「教育の無償化」についての質問が多いです。今回はそれについてお答えしようと思います。

教育。国にとっての根幹ですよね。でも残念ながら、日本では教育に対する予算の割合がとても低いんです。世界的には恥ずかしいレベルで日本は教育に予算を回しません。

対GDP比ではOECD加盟国35カ国中で最低。これは2012年に調べられたデータで、「6年連続で最下位」であったことが判明しているんです。自民党政権でも民主党政権でも同じなんですよね。子供たちの教育に、国は全然予算を回さない。

これって、企業で言えば「新人の教育に予算を割かない会社」と一緒ですよね。そんな会社はジリジリと沈んでいくでしょう。なので、日本維新の会が必死になって提案しているのが

「日本を教育費のかからない国にしよう!」

というものです。

なぜ教育費を無料にすべきなのか

理由は大きく分けて2つあって、1つは当然「少子化対策」です。現在の若い世代に対するアンケートでは「お金がない」という理由で子供を産んでいないカップルがとても多いことが分かっています。

皆さんも思いません?国が「少子化、少子化」って叫んでるわりに『子供一人育てるのに金がかかり過ぎるんだよぉっ』て。

せめて、教育費だけでも一切お金がかからなかったら結構楽になると思いませんか?

ちなみに、大阪市ではこの4月から4歳児までの教育費が無料になりました。私立高校や5歳児はすでにその前からもう無料。大阪市に人口がどんどん流れ込んできていることはすでに何度も私のコラムで指摘している通りですね。みんな、お給料が安すぎなんです。

で、もう1つに「教育格差」を埋められる可能性の話。

日本では両親の持つお金と教育水準が比例して格差があるってことは皆さんも知っての通り。ご両親がお金持ちだったらいい教育を受けられるんですよね。

私は個人的にこれはある程度しょうがないかなぁ…という意見の持ち主です。資本主義社会って、結局はそういう社会です。嫌なら社会主義国会にでも共産主義国家にでも行けばいいだけの話。ですが、単純に「国としてもったいない」ケースがあるわけです。

Aさんの家庭は超金持ちでほっといても慶応の幼稚舎から慶応に。そして有り余るお金で留学して、遊びながらでも英語はしゃべれるように。もちろんコネで一流企業に足掛けして、政治家になりました、と。

まぁ、日本ってそんなのばっかなんですが、そんな政治家しかいない中、Bさんの家庭は超貧乏。そこに生まれたタロウ君。タロウ君は実は100年に1人の逸材で、見事なリーダーシップを発揮し、中学までは成績も優秀。努力も人一倍して、奨学金でヒーヒー言いながらでもちゃんと高校まで入った…と。

しかし、そんな高卒のタロウ君、選挙に出たとしますよね?Aさん家のバカボン君の肩書は「慶応卒!」「一流企業卒!」「海外留学で英語ペラペーラ!」。親も地元の名士ときたもんです。一方、Bさん家のタロウ君は肩書が「高卒」です。あとは「頑張ってきました」程度のアピールしかできません。

どっちが当選するよって話。繰り返しますが、タロウ君、100年に1人の天才よ?でもたぶん相手にされないでしょ?

せめてね、日本の企業が「4年制大学卒」じゃなきゃ相手にしてくれない企業が多いワケだから、大学までは国のお金でちゃんと卒業させてあげなきゃいけなんです。でなきゃ、単純に社会主義国家がどうのと言う前に、国として損失。

「憲法改正しなくても無償化できるだろ」と言う人が知っておくべきこと

で、ここで「教育は大事だし、無償化は賛成だけれど、憲法改正する話か?」と言う言説が巷で飛び出してきました。そういう人は

「法律改正でできるだろ」

と言う、なかなかのチン説を唱えるのですが…どうか、少なくとも私のコラム読んでいる人がそんなワンダフルな説は絶対にヨソでは唱えないようにして下さい。

そう言うことを言う人って、多分ですけれど「法律」と「憲法」の基礎的なものが押さえられていないんですよね。ちなみに「法律」で教育の無償化は、「論理的には可能」です。

はい、あくまで「論理的には」ね。ただ、「そういうこと言ってんじゃないんですってば」と言う話。説明しますね。

憲法と法律は同じく社会の規範ですが、大きな違いがあります。なんだか分かりますか?
色々とあるのですが最大の違いは「誰が作るか」です。

法律は国会で作られます。日本人が選んだ国会議員たちが作りますね。そうです。今は自民党が作ろうと思った法律は何があっても作れます、だって与党だから。

ですが、憲法ってのは日本人全員のものなんです。日本人全員の…言ってしまえば骨で言えば背骨。木で言えば太い太い幹なんです。

なので、憲法を変えるためには「国民投票」が必要になります。まとめましょう。

法律を作るのは「国会議員」。憲法を作ったり変えられるのは「国民」です。

いま、政府が教育を無償化しようって本気で思ったとしましょう。はい。いま国会は日程的に難しいですが、秋の臨時国会で出来ちゃうでしょう。絶対。

でもそのまま行くと思いますか?もし政権が変わったり、自民党政権のままでも気が変わったりしたら…律改正だけですぐにまた有償に戻されちゃいます。だって所詮は「法律」だから。

そこがおかしいって主張しているのが維新なんです。だって民主党時代の「子ども手当」だって秒速で無くなったでしょ?あれも所詮は「法律」だからです。

「法律」なんてものは所詮「法律」です。国会議員で多数を占めればどうとでもなるんです。でも、もし国民みんなで憲法を改正して「大学まで教育費は無料だ!」って決めたらどうなると思います?

もし政権が変わったり、もしくは自民党政権のままで気が変わったとしても、

1. まず教育費を有償にしよう、という勢力だけで全国会議員の3分の2を占め…
2. 憲法審査会で審議し、国民に審議をかけ…
3. 国民投票で過半数を取る

ここまでしなければいけないんです。繰り返しますが「憲法を決められるのは国民だけ」だから。そう考えると全然違うことが分かるでしょ?

憲法は「国全体の方針」。法律はそれらを具体的に回すための「マニュアル」にすぎません。日本維新の会が主張しているのは「日本は教育費はかからない国にしよう!」ということです。

日本の政治家は諸外国と比べても世襲議員が多いことが分かっています。つまり、金には一切困っていない方々が国会議員をやってるわけです。教育費なんてものは「(お金持ちの)親が出して当たり前」って考えているんです。特に自民党の議員たちは。

そんなままじゃ、格差は無限に広がります。それは国のためになりません。組織票で当選した自民党議員たちに任せていたら、いつまで経っても教育費なんて無料になりません。

私は大学までの教育費無料を憲法に書き込むことは当然だと思っています。と言うか、反対する意味が分からん。

皆さんはどんなご意見でしょうか?

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モノ申すフリーアナウンサーとして、テレビ・雑誌・講演と幅広い分野で活躍中。特に多くの取材経験からニュースを多角的な視点で見る文章に定評がある。現在は執筆や講演会など多方面で活躍中。

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