記事提供:日刊SPA!

画面は日本語版「mstdn.jp」のモノ。

Twitter、Facebook、Instagram、Snapchat、mixi…。様々なSNSがあるなかで、いま注目を集めている「Mastodon(マストドン)」。

「最近ようやく若手社員にのせられてインスタグラムを始めたばかりなのに…。新しいSNSを覚えるのは面倒くさいなぁ」(40代・会社員)

そんな声が聞こえてくる。だが、日本国内のユーザーはすでに10万人を超え、テック系メディアやIT界隈を中心に取り沙汰されている。だが、目にするのは“インスタンス”やら“トゥート”など、横文字ばかりで意味がわからない…。

普段からTwitterやInstagramを駆使する流行に敏感な20代の女性でさえこう言う。

「マストドンってなにそれ、強いの?おいしいの~?」(20代・アパレル)

果たして、TwitterやFacebookなど従来のSNSとは何が違うのか。いまから始めるべきなのか?また、今後起こりうるリスクとは?

◆話題の新しいSNS「Mastodon」とは?

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マストドンは、24歳のドイツ人男性が立ち上げたソフトウェア。

まず、文章や画像の投稿、いわゆるつぶやきである“トゥート”は500文字。Twitterの“ツイート”が140文字であることに対して少し長め。SNSのなかでミニブログと呼ばれるジャンルに入る。

他のユーザーをフォローすることでホームのタイムライン上に流れてくる点はTwitterやFacebookと同様だ。

だが、参加するインスタンスごとにユーザーが異なる点に注目してほしい。そもそも“インスタンス”とはサーバーを指し、それによって見ることができるタイムラインも変わってくる(マストドンでは“ローカルタイムライン”と呼ぶ)。

マストドンはオープンソース(プログラムが公開されており、だれでも自由に扱っていい)であることから、個人でもインスタンスを立ち上げることが可能。

複数のサーバーでひとつのSNSソフトを使うことから、“分散型SNS”とも呼ばれている。このインスタンスごとに共通の趣味を持つ人同士で集まることができるのだ。

マストドンの日本語版として最初に登場した「mstdn.jp」は、なんと日本の大学生が自宅で立ち上げたものである。

国内の企業ではイラストコミュニケーションサービスを手掛けるpixiv(ピクシブ)がいち早く参入し、マストドンのインスタンス「Pawoo(パウー)」を4月14日にリリース。19日にはniconicoが「friends.nico」を立ち上げた。

これにより、pixivやniconicoのアカウントとも紐付けて使えるようになった。さらに、20日にはニッポン放送が「TUNER」をスタートさせるなど、企業からも注目を集めている。

また、自分が参加しているインスタンスのタイムラインしか見ることができないわけではなく、横断してだれでも見ることができるのが“連合タイムライン”だ。

とはいえ、ココまで説明されてもなにが楽しいのか、ちっともわからない読者も多いはずだ(汗)。都内でエンジニアとして勤める男性は、マストドンの楽しみ方を「ざっくりとしたイメージですが」と前置きしたうえでこう説明する。

「いま、趣味やテーマごとに様々なインスタンスが立ち上がっています。たとえば、コスプレやカメラ、子育て、就職活動。なかには、LGBT向けのインスタンスまで。僕はアニメが好きなのですが、mixiのコミュニティみたいな感覚で使おうと思っています。とはいえ、まだなにが凄いのか探っている最中ではあります。今後は自分でインスタンスを立ち上げてみる予定」(30代・エンジニア)

しかし、それならばmixiなど従来のSNSでも事足りる気もする。あるIT関係者は、マストドンならではのメリットをこう語る。

「それは、消えないことです。Facebookなどは今後廃れて消えるかも知れないが、マストドンは消えにくい。なぜなら、P2P(ファイル共有をする)型のSNSと、Facebookみたいな一般向けのSNSの中間という性質。つまり、いずれマストドンが荒廃した世界になっても趣味や共通点でユーザーが繋がっている一体感から、ローカルタイムラインだけは機能していくのではないか、と思います」

どれだけ流行ったSNSでもユーザーが減ってしまえば、盛り上がりに欠ける。その点、そもそも趣味など共通の話題があるマストドンは、小さくとも残っていく可能性があるということだった。

◆今後起こりうるリスク

とはいえ、かつて未成年の売買春の巣窟となり社会問題となったSNSも存在した。いまでも野放しになっているものさえある。

マストドンは、個人がインスタンスを立ち上げられるうえ、まだルールの規制などが曖昧なぶん、今後は「乱交インスタンス」や「薬物取引インスタンス」をはじめ、違法なインスタンスが登場するリスクも否定できないのではないか。

すでにフリマアプリで販売できなかったヤバいものを売買する“闇市”としてマストドンを利用しようとしている輩まで登場しはじめているという噂も…。

「犯罪に使われる可能性もあると思います。ただ、日本語版インスタンスのmstdn.jpを立ち上げたnullkal氏は、警察や裁判所から要請があれば、ログを開示すると名言しています。また、プロバイダの通信履歴を調べればバレてしまうでしょう。そこまでして違法インスタンスを運営するメリットがあるのか、という話ですが」(前出のIT関係者)

新SNSのマストドン。一般層への知名度はまだまだといえる。「マストドンって強いの?」と問われれば、今はまだ弱いのかもしれない。実際、IT界隈の人たちでさえ、様子を見ている最中だという。

だが今後、強くなる可能性は秘めている。どのように普及していくのか、動向を見守りたい。

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