空き巣やストーカーなどの被害が減らない中、ホームセキュリティサービスが注目を集めつつあります。

無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で著者の青山烈士さんが取り上げているのは、月々ワンコインで利用できるホームセキュリティサービスを開発したとある企業。その経営戦略・戦術を徹底分析しています。

製品ライフサイクル

月々ワンコインから利用できるホームセキュリティサービスで注目の企業を分析します。

プリンシプル(ホームセキュリティ)

戦略ショートストーリー

単身者(主に女性)をターゲットに防犯対策を普及させたい思いで開発したシステムと大手警備会社との提携によって生み出された「安い」「手軽などの強みで差別化しています。

ワンコインの訴求に加えて、福岡県内の犯罪の実情を紹介することで防犯への意識を高めつつ、お試しキャンペーンでハードルを下げることで顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

製品ライフサイクル

警視庁の発表によると、住宅対象侵入窃盗(空き巣など)の件数は平成27年は4万6,091件となっており、減少傾向にあるようですが、1日当たり約126件もの住宅への侵入窃盗が発生している状況です。

ちなみに、全国の警察へ寄せられたストーカー事案の相談件数は4年連続で2万件を超えていて、昨年は年間で2万2,737件前年比3.5%増と増加傾向にあります。

このような状況の中で、ホームセキュリティの国内の普及率は約2%のようです(プリンシプルのHPより)。

まだまだ、ホームセキュリティは世の中に浸透しておらず、その必要性が理解されていないことを表しているとも言えます。

段階によって戦い方が異なる「製品ライフサイクル」とは

マーケティング用語に製品ライフサイクルというものがありますが、ホームセキュリティは、「成長期」に入ったところくらいであると想定されます。

※製品ライフサイクルとは、製品は、基本的に「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」という4つ段階を経るという考え方。

なぜなら、参入企業が増えているようですので、これば「成長期」の特徴ですし、まだまだ普及してないことから考えても、成長期の初期であると言えるでしょう。

製品ライフサイクルで重要なポイントは、製品ライフサイクルの中のどの段階にいるかによって、戦い方が異なるということです。

例えば、「導入期」であれば、チャネル(販路)を絞って、製品の認知度を高めること、試用を促すことに注力しますし、「成長期」であれば、チャネルを広げて、ホームセキュリティと言えば、プリンシプルと消費者に思われるための印象付け広告投資などに注力します。

まさにいま、プリンシプルは、チャネルを福岡から、首都圏、全国へと広げていっている最中ですので、セオリー通りの戦い方をしているといえます。

また、各種メディアでも取り上げられていますので、認知は拡大しているようですが、ホームセキュリティ業界での地位を確立するためにはより一層、広告投資などによる認知拡大が必要となるでしょう。

今後の競争を優位に進めるうえでも非常に重要な時期といえます。

潜在的には大きな市場があることが見込まれますので、「プリンシプル」にとっては、大きな機会があると言えます。

現在の普及率からみても、この機会をつかみ、ホームセキュリティと言えば「プリンシプル」と消費者に印象付けることができれば、業界TOPに立つ可能性もあると思いますので、今後の動向に注目していきたいです。

そして、「プリンシプル」が提供するようなホームセキュリティサービスが普及することで、犯罪の抑止につながることを期待しています。

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):ホームセキュリティ。

・競合(お客様の選択肢):SECOM(セコム)、ALSOK(アルソック)など。

・状況:ホームセキュリティの市場規模は拡大傾向のようです。

■強み

1. 安い

・従来の機械警備の約10分の1の料金。

2. 手軽に設置できる

・ネット環境がなくても回線工事不要で設置可能。

上記の強みを支えるコア・コンピタンス

・防犯対策を普及させたい思いで開発したシステム。

・西日本の大手警備会社「株式会社にしけい」との提携→自社で警備員や車両を抱える必要がないため、価格を抑えることができます。

上記のような「思い」と「自社開発システム」、「提携先」があるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

・福岡県の単身者(主に女性)→今後は全国へ展開予定。

◆戦術分析

■売り物

「スマートルームセキュリティ」

・窓やドアなどに設置された感知センサーが不審者などの侵入を感知し、警報音で威嚇すると同時に入居者本人含む任意の家族知人のスマホ等にアプリとメールで通報。

・配布される「警備中」のステッカーが侵入を抑止。

■売り値

「初期費用は9,800~1万9,800円、月額基本料金は500~980円」

・警備員駆けつけオプション:480~880円(月額)→出動1回5,000円。

■売り方

「防犯への意識を高めつつ、お試しキャンペーンでハードルを下げて試用をうながす」

・売り文句「ワンコインで何気ない幸せな毎日を守ります!」。

・2ヶ月無料お試しキャンペーン。

・オフィシャルサイトにて福岡県内の犯罪の実情を紹介。

「強姦の発生率のワーストランキング」において、福岡県はワースト上位常連。

「犯罪発生エリアMAP」を掲示。

・Webサイト上で、「一分でできる防犯レベル診断」が受けられます。

■売り場

・福岡県が中心。今後、全国展開を予定しています。

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

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