記事提供:おたぽる

同人誌の販売で知られる「とらのあな」の創業者が、まさかの婚活ビジネスに着手。2月末にオタク向け結婚相談所「とら婚」オープンした。

オタクに寄り添う結婚相談所「とら婚」。

HPを見ると、「趣味と結婚を両立させる。オタクに寄り添うに結婚相談所」という一文が。これまでにオタク向けの街コンや婚活パーティなどは目にすることがあったが、“オタク向けの結婚相談所”は前代未聞だろう。

結婚から遠い存在に思われがちなオタクに対し、なぜ結婚相談所を開いたのか?「とら婚」には一体どんなオタクが集まるのか?果たして、需要はあるのか?

今回はそんな疑問を、「とら婚」の婚活アドバイザーを務める野村晶二郎さんにインタビュー。オタクと結婚について、詳しく話を聞いた。

■オタクの“ため”になる事業がしたかった

「とら婚」婚活アドバイザー・野村晶二郎さん。

――「とら婚」を設立することになった流れを教えてください。

野村晶二郎(以下、野村) まず、社会的な背景として未婚率の上昇が近年指摘されています。

その中で、一般的にオタクと言われるアニメ・マンガ・ゲーム好きの人の未婚率って、実はそういう趣味を持っていない人とくらべて高いという統計が出ているんです。

矢野経済研究所さんが出しているデータによれば、オタクの未婚率は67%。オタクの方の年齢が若干若い傾向にあることも関係して、このような数字が出ているんですけど、それにしてもかなり高い。

――私自身もオタクなので、そうなんじゃないかなとは思っていましたが(汗)、やっぱりそうなんですね。

野村 その状況を解決したいと言うか、何か力になれないかという考えが創業者にありまして。

一方、会社側としては、やっぱり「とらのあな」からスタートした会社なので、お取引させていただいているクリエイター様たちとか、オタク趣味を持っているユーザーの方たちの“ため”になる事業がしたいなと。

今まではそれが同人誌やグッズ販売だったんですけど、それ以外の方法もあるんじゃないかと。

その中で浮かび上がったのが、恋愛と結婚でした。そういう方面での新しいサービスとして、オタクの方たちのためになる事業を生むべきなんじゃないかと。社会的な問題、会社側の考えが合致して生まれたのが「とら婚」なんです。

――実際「とら婚」は、とらのあなの創業者による新事業ですが、ネットでは「とらのあなが結婚相談所を開いた」など、大きな話題になっていました。ネット上での評判はどのように感じていましたか?

野村 最初はいじられると覚悟していたんです。どうしても「とらのあな」との関係が見え隠れするので。「とらのあなが変なこと始めた」って。でも逆に好意的な意見があったのがすごく印象的でした。

来場された方の中には、「なんでもっと早く始めてくれなかったんですか!」って声を上げる方もいたりして。地方からも「大阪にも出してください」って意見が届いたりして。ちゃんと真剣に捉えてくださる方はしっかりといらっしゃるなと。

そこはかなり嬉しかったですね。

――「とら婚」と言えば、HP上で「婚前交渉」は「成婚」とみなしますと明記したことも大きな話題となりました。

野村 まず、「成婚」について説明すると、お互いが結婚の意志を確認しあう、プロポーズをしてOKが出る、それが第一の条件です。そして、「婚前交渉」。これも結婚の意志があるとみなす厳密なルールがあります。

これは女性を守るという視点があるので、ここは結構崩せないです。それから、宿泊を伴う旅行もです。大きくはその3つになります。

――女性を守るためのルールだったんですね。でも、アドバイザーに言わなければバレないような気もしますが…。

野村 ご自身に当てはめて考えてほしいんですけど、ルールとして婚前交渉を禁止されているのに、相手がルールを破るようなことをした場合、その方への信頼感ってガタっと落ちるじゃないですか。

すると、大体の方が所属している結婚相談所に相談されるんです。そして、この方との交際は辞めましょうと。わりとすぐにバレることが多いみたいです。

――先程の成婚の条件は「とら婚」だけのルールではないのでしょうか?

野村 そうですね。日本結婚相談所連盟の共通のルールです。あまり広く知られていなかったルールが、今回をきっかけに広まったのかなという印象です。

■オタク趣味を理解してほしい人が集まっている

相談所には、IBJ(日本結婚相談所連盟)の認定証が。

――ネットで話題になったことで、入会者数もかなり増えたのでしょうか?

野村 まだ立ち上げて3週間も経っていないので【注:インタビュー時】、入会希望者数で言うと、そろそろ20くらいに届くかなというレベルです。

ただ、面談の申込み自体は300件とかなりたまっていて、これから成長してくのかなという感想は抱いています。男女比は結論から言うと半々くらい。わりと不思議なんですけど、最初は女性のほうが多くて。

まとめサイトなどに女性会員のほうが多いと変な取り上げ方をされたのもあってか(笑)、男性の方はあとからついて来ました。

――年齢層で言うと、どの年代がメイン層なのでしょうか?

野村 年齢層は男女で違いがあって、女性は20代後半から30代半ば。男性は30代から40代前半です。年齢のズレはありますが、これはこれでニーズは合っているような気がしていて。

女性はわりと年上もOKだったりするみたいなんですけど、男性は年下のほうが良いって方が多くて。うまく合致しているなと。

――「とら婚」は、「100%自身の趣味にこだわりを持つ方」でないと入会できないとありますが、どのレベルのオタクであれば入会できるのでしょうか?

野村 入りたいというご希望であれば、断るつもりはありません。その人がどういう人と出会いたいか次第だと思っています。でも「とら婚」にいらっしゃる方って、国民的なアニメが好きであっても、深く愛されている方が多いです。

いわゆるライトオタクと言われる人と付き合いたいっていう場合は、うちじゃなくてもいいかもしれないですし、本当にディープな人と付き合いたいと考えていたら「とら婚」が一番合うのでは、と考えています。

でも、その人が求めるレベルに応じて、しっかりとした人を紹介できればという理念、理想は抱いていますね。

――そもそも結婚相談所がどういったところか分からない人も多いと思うので、理想の相手に出会うまでの流れを教えていただければと。

野村 言い方は適切でないかもしれませんが、転職サイトのような感じです。

5万8,000人が登録しているIBJ日本結婚相談所連盟のシステムを利用して、希望する条件に合う人を月に10名弱ほど紹介されたり、逆に自分でサイトにアクセスして希望の相手を探したり。

だいたい自分で行う活動がベースになるのですが、それだと結婚相談所のメリットがあまりないので、私たちアドバイザーが活動計画のサポートをしたり、行動を促したりします。

あと、サイトで設定する希望条件って年収・年齢・身長といった基本的な部分だけで、アニメとかゲームといった趣味部分がほとんどないんです。

なので一部のプランでは、アドバイザーが会員の情報を深掘りし、「この方はあなたの趣味部分を理解してくれますよ」とか、「実は同じ作品が好きなんですよ」と条件に合う方を紹介しています。

――自分の好きな作品のオタクを探せるのは、「とら婚」の強みですね。

野村 正直に言うと難しい部分もありまして、一般的にほかの結婚相談所は、そんなに深掘りして聞いていないんですよ。調べればわかるんですが、具体的に好きな作品を出している人はほとんどいません。

たまにガンダム好きとか、ジョジョ好きとかはいますけど。出していても、アニメ・マンガ・ゲームという一般的なワードだけなので、そこは我々のほうでお手伝いをしながらっていうところになりますね。

――ちなみに、「とら婚」で人気の作品ってあるのでしょうか?

野村 よく聞くのは、最近だと『Fate/Grand Order』と『ファイナルファンタジー15』でしょうか。アニメで意外だったのは、ラブライバーが意外と少ないな…と。いないってわけじゃないんですが、思ったよりいないなと。

あとは男女問わず特撮好きの方が多いですね。

――たとえばなんですけど、アイマスPさんが「ラブライバーはちょっと…」と言った場合、意見として取り入れてもらえるのでしょうか?

野村 そこは話し合いながらということになりますが、限定してしまうと、そもそもの出会いも限定されてしまいます。そこは我々からちょっと視点広げましょうかと助言することもありますし、どうしてもという場合はお聞きすることもあるかと思います。

でも、現在入会されている方はわりと寛容な方が多くて、話が完全に合わなくても自分のオタク趣味を理解してくれる人だったら良いですという方が多いですね。

――オタクに寄り添う結婚相談所ということで、やはり野村さんをはじめ、アドバイザーは皆オタクなのでしょうか?

野村 まずはオタクに理解のあるスタッフと捉えてほしいですね。なかなかどこからがオタクって言うのは我々も言いづらいので。

一応僕はHP上では、『ARIA』『ガールズ&パンツァー』好きって言っていますが、レベルの高い諸先輩方には敵わないレベルだとは思っているので…。オタク趣味に理解のあるスタッフが揃っていると思ってください。

――ちなみに、『ガールズ&パンツァー』だと誰推しですか?

野村 あの~…河西忍ちゃんですね。バレー部の。凛々しいじゃないですか。凛々しいけど、劇場版でアヒルの被りものを見て、穏やかな表情を浮かべるそのギャップが印象的で…。

――ライトオタクじゃないような気もしますが(笑)。「とら婚」のTwitter(@ToraCon_Akiba)でも結構オタク発言をしていますよね。

野村 「とら婚」では結婚パーティの開催もしているんですが、大洗で結婚パーティをやりたいって僕が呟いて、それに反応をいただいたりもしています。

でも、男女で集まるなら、男女共に人気の高い作品を選ばないとって思うので、作品選びが難しいですよね。

――たしかに、『ガルパン』は男性ファンのが多いかもしれません。

野村 なので、やるならジャンプ系の作品かなと…最近だと『Fate/Grand Order』とか。

――プロフィール欄に課金額を書く感じですかね(笑)。

野村 課金月3万円以上じゃないと参加できませんって書いたりですかね(笑)。

■結婚を真剣に考えているオタクは多いかなと

――「とら婚」以外の結婚相談所だったら、月の課金額何万とかは引かれそうな要素ですよね。「とら婚」に来る方だからこそ許されそうという。

野村 結婚後もオタク趣味を続けていきたいという方しかこないですしね。ただ、ほかの結婚相談所のアドバイザーさんって、もちろん人によるんですが、ガンガン指導していくと言いますか、万人受けする理想像に近づけようとする人もいるみたいなんです。

そういう人にぶち当たってしまったら、もしかするとオタク趣味は遠慮してくださいって言われてしまうかも。ほかの相談所さんの話を聞いて、そう思いました。

――オタクであることを否定されてしまうと言いますか。

野村 でも今って、アニメもマンガもあふれているじゃないですか。それこそ、『君の名は。』がすごくヒットしたり。そういうところから、オタク趣味に理解のある人って増えていると思います。

これも矢野経済研究所さんのデータなのですが、「自分自身がオタクだと自認している人」っていうのは、毎年だいたい全体の20~25%くらいいるっていうデータが出ているんです。

その割合はだいたい変わっていないんで、30代とかでもオタクに理解のある方って実は多いんじゃないかと。なので、今の世の中でそれを無理やり直していくのは間違っているんじゃないかなという気持ちも一部であって。

――「とら婚」は、“趣味と結婚を両立させる”結婚相談所とありますが、そのためにしていることを教えてください。

野村 もし、休日は寝ずにオタク趣味に時間を費やしています、という方はちょっと時間削って計画的に結婚に向き合ってみましょうかと、具体的な活動計画を立てることを最初の面談でさせていただいています。

休日3時間くらいアニメ見ていますくらいだったら、全然続けていただいていいと思いますし。

その中でお相手と交際できたら、どれくらいの時間を趣味に当てていきたいかという部分など、価値観の部分をお相手としっかりすり合わせていきましょうという話はみなさんにさせていただいています。

――3次元に興味がないと言いますか、少なからず結婚しなくてもいいっていうオタクもいると思うんですが、「とら婚」を通じて、何か感じたことはありますか?

野村 やっぱり結婚しなくていいというオタクの方もいらっしゃいます。でも、もしかしたら口だけかもしれないですよね。実際、「とら婚」に冷やかしでやってきましたって人もいて。

そんなに結婚には興味がなかった方だったんですけど、でもしっかりとお話を聞いていくと、実は本当は結婚を望まれていて。

また、話を聞いていく中で、まったく希望を持っていなかったけど、もしかしたら自分も勇気を出せば10~20%くらいの確率で結婚できそうだって、感想を抱く方もいました。

もちろん結婚しなくて良いという方もいると思いますが、やっぱりどこかで恋愛とか結婚とか、将来的な部分でかなり真剣に考えているオタクの方は結構多いかなと感じています。

――では最後に、立ち上がったばかりの「とら婚」の今後の展望を教えてください。

野村 現時点ではかなりの反響をいただいていて、相談など待たせしてしまっている方も多いのですが、まずはみなさんの話をしっかりと聞いて、結婚に向けてどういった活動をすべきなのかという話をしっかりとさせていただきたいなと思っています。

その中で「とら婚」が選択肢の最後として残った方に対しては、なるべく趣味部分に合う方を早期に提案していきたいですね。

まだ立ち上がったばかりなので、もちろん出来る部分と出来ない部分があると思うんですが、加入してくださった会員の皆さんにとって、一番メリットのあるサービスを早期に作り上げていきたいなと考えています。

■とら婚

①「とら婚」婚活パーティ開催!4月分参加者募集中!

※4/22開催分の枠に空きアリ!

②「オタク玄人割引」「クリエイター割引」がついに4月より実装開始!

※オープニングキャンペーンは3/31で終了。

・クリエイター割引:創作活動をされている方は、全プラン入会金総額から30%OFF
・オタク玄人割引:ご趣味診断アンケート結果次第で、入会金総額から20%OFF

権利侵害申告はこちら