先日広島県三原市の「みはらし温泉」で入浴施設の清掃不足が原因で集団感染が発生しました。40人が感染し、1名が死亡するという事故はマスコミでも大きく取り上げられました。

しかも同温泉は8年前にも清掃不足で行政指導を受けていたのだとか…繰り返される温泉での「集団感染」事故に、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で元「旅行読売」編集長の飯塚氏は温泉を愛するものとして、今回の事件に激怒しています。

問題の背景には、国の定める温泉の清掃基準が機能していない現実があることを暴露し、改善のための大胆な提案を打ち出しています。

「浴槽の換水清掃頻度掲示を義務化すべし」

またもやレジオネラ属菌による事故が発生した。ご存じの読者も多いだろうが広島県三原市の「みはらし温泉」で40人が集団感染し、男性一人が死亡した。ほかに2名は重体だとも聞く。

記者会見などの記事を読むと、この施設は8年前にも行政指導を受けていたようだ。いったい、どういう常識の持ち主なのか、理解できない。

だが、この施設のように「月1回行う配管などの高濃度塩素消毒については記録をつけていなかった」という温泉施設は、まだまだ全国にたくさんあるような気がしてならない。

理由は、何か事件にならない限り問題にされないからである。行政指導の内容を把握していないが、この施設を指導したとき、どんなことを指導したのか?指導で済ますのではなく、処分すべきだったのではないのか?

いや、結局こうした施設は、処分されようが何をされようが、また同じことを繰り返すような気もする。拙著にも書いたが「施設経営者が、自分の温泉に対する愛情がない」からだ。

温泉施設にとって、温泉はもっとも重要な商売の道具であるはずだが、その商売道具を適当に扱っているということになる。

温泉に興味がない人を「感染被害」から救う方法

同じく浴槽や循環ろ過などの設備も重要な商売道具だが、これもないがしろにしているということである。

世の中の職人で、自分の使う道具を粗末にしている名人などというものはいるわけがない。大工も板前も、自分のかんなや包丁は常にピカピカでないと気が済まない、というくらいでなければ、名人になれるわけもない。

温泉施設もそうで、名湯といわれる温泉施設や宿では、清掃も徹底している。

提供する温泉が常に最高の状態であるように、様々な面でケアを怠らない。

だから、名湯といわれるようになるのである。掃除が行き届いていない温泉は温泉を愛している人が入ればすぐにわかる。

問題は、それほど深く温泉を愛しているわけではなく、温泉の質そのものにはあまり興味がない、という人の場合には、汚れた湯に知らず知らず入浴してしまっていることがある、ということだろう。

これをどうにかして防ぐ方法を考えていくと、浴槽の完全換水清掃頻度は、施設の見やすい場所に大きく掲示することを義務化してはどうか、という考えにたどり着く。

さすがに週1回しか水を換えない、抜かない、とは書き辛いだろうから、少しは抑止力になるような気もする。

換水頻度の記載はかけ流しの温泉にも効果あり

とはいえ、循環ろ過式の浴槽の場合は、国の行政指針では「1週間に1回以上、完全に換水して浴槽を清掃」と書かれている。つまり、1週間に1回やれば国の指針には合格というわけである。

ちなみに非循環式浴槽(かけ流しを含む)は、「毎日完全に換水して浴槽を清掃すること」となっている。だが、ぶっちゃけ、全国のかけ流し温泉で毎日完全換水清掃を行っている施設というのはそれほど多くはない。

前述の指針はあくまで技術的な指針であって、必ず守らなければならないというわけではないのだ。

そこで、完全換水清掃頻度を掲示することを義務化すれば、かけ流し温泉も清掃頻度が上がる気もする。いいことばかりだと思う。

誰かがFBでも書いていたが、レジオネラ属菌の事故も、これだけ繰り返して発生し、なくすことができないのであれば、事故ではなく「事件」として扱い、法的な拘束力や罰則規定をもうけるべきだと思う。

ずいぶん前の「白骨事件」を機に温泉法が改正されて、加水や加温、循環の有無などを掲示しないといけないことになったように、もうそろそろ、浴槽の換水清掃頻度も掲示することを義務化すればいいと、僕は考える。

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