記事提供:日刊SPA!

「800円」と噂されていたシェフ川越レストランの水。

週刊文春にて、あのカリスマシェフ川越達也氏がレストランを1年以上も休業していると報じられた。文春の直撃によると、

「もう僕は皆様に忘れていただきたくてしょうがなくて。(中略)出来ることなら世の中の人から、僕の存在は忘れてもらいたいくらいです」

とも語っていたという。

一体、川越シェフに何があったのか――。

歯に衣着せぬストレートな辛口批評で人気を博していた、川越シェフ。遡ること4年前の2013年5月、雑誌『サイゾー』ウェブサイトのインタビューで発した言葉が物議を醸した。

川越氏は「食べログ」などの評価サイトについて「くだらない」、「年収300万円、400万円の人が高級店に行って批判を書き込むこともあるが、そういう人たちには高級店の企業努力や歴史がわからない」とレビュアーに“逆ギレ”。

「食べログ」のレビューでは、川越氏のレストランで水を頼んだら800円取られたという声を中心に、批判が噴出していたのだった。

川越氏の上記の発言はネット上で集中砲火を浴び、自身のウェブサイト上で謝罪する騒動に至った。

実は騒動の渦中、SPA!スタッフは川越シェフのレストランにこっそり訪れていた。

東京・代官山の一等地に構える「タツヤ・カワゴエ」は当時あまりの人気のため予約は2か月待ちと言われていたが、電話をすると驚くほどアッサリと数日後の予約が取れたのだ。

赴いたのは若手編集Aと、シェフの言う“年収300万円”以下のライターW(33歳)。

代官山駅に現れたWは穴の開いたスウェットにTシャツ、足元は薄汚れたクロックスのサンダルに頭はタオル巻きというファッションであった。

お高くとまった店では間違いなくドレスコードに抵触する。レストランどころか、代官山を往来する人々からの視線がすでに痛く「いくらなんでもやりすぎだろう」と編集Aがツッコむも、どこ吹く風のWであった。

はたして店に着くと、なんとまったくのお咎めなし。やや拍子抜けしながら席に着くや、多忙を極めるはずの川越シェフが颯爽と登場した。

「今日はお腹いっぱい食べてください」

言葉どおり、メニューに目を落とすと「料理も飲み物も好きなだけお召し上がりいただけます」との記載が。これには驚いた。コース料理で食べ放題&飲み放題の店など聞いたことがない。

◆むしろ年収300万円の人間こそ行くべき店だった

【写真】はコチラ(コース料理)

まず出されたのはバーニャカウダ「代官山の畑」。

一口サイズにカットされた温野菜に食用花を添えたものを特製ソースとともにいただく。「花も食べちゃっていいんですか?」とW。

続いて「タラバガニ、トマト、レタスの温かいババロア」。

「ババロアってデザートでは?」とうろたえていたWだが、タラバガニの旨みと野菜の爽やかさが調和した味に「ウマい!」と大喜び。

続いてキャビア入りの「ホタテ焼きとナスジュレの冷製パスタ」、人生初のキャビアに感無量のW。

その他燻製鮎のリゾット、平目のゆず風味、鶏肉のアサリとアボガドソースなど工夫をこらした料理に舌鼓を打つ。どれも繊細な味で、細部までこだわりを感じさせた。

「他の高級店は知らないけど、ありがたい。ネットで文句言ってる人は、贅沢すぎるんじゃないかな」(W)としみじみと語るWだった。

酒もワインを中心に日本酒・ビールがそれぞれ数銘柄が飲み放題。そして、当時問題となっていた「水」もこの日は無料だった。

スタッフに質すと「800円の水を出していたのは数年前の話」。さらに基本コースとは別に、追加メニューも食べ放題だった。何より、1万5000円ポッキリで普通レベル以上のイタリアンとお酒を無制限にいただける場所は当時は他に見当たらなかった。

我々はその時強く思った。

むしろ、「年収300万~400万円の人」こそが小銭を貯めて川越氏の店に行くべきではないだろうか?と…。

「次回、料理を頼みまくってタッパーで持ち帰れるか?」と聞く我々のあまりの貧乏臭さに「デザートなら何とか…」と苦笑するスタッフであった。

Wはその後、シェフ川越の店は「3つ星、いやコストパフォーマンス的には5つ付けても良いぐらい」と絶賛していた。あえて苦言を呈するとすれば店内に小バエが数匹いたことと、一部の店員の風貌にチャラさを感じたことくらいだろうか。

川越シェフは最後に、我々が「記念写真を一緒に撮ってください」というと、快く応じてくれた。

あれから4年、決して美食家ではない我々であるが、「タツヤ・カワゴエ」のコストパフォーマンスに匹敵する店にはまだ出会えていない。

当時の公式サイトによると、食べ放題&飲み放題は川越氏の40代を迎えた次のステージとして始動したと書かれていた。

「東京のレストランではこのコンセプトは初めての試み」とも。また、当時は複数の新店舗を展開を予定しており、コンビニ商品なども幅広く手掛け「手を広げすぎ」という批判もあった。

活動範囲を広げすぎて、またはサービスが良すぎて経営が苦しくなったのか?それとも他に事情があるのだろうか?

川越シェフの動向が気になるところだ。

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