最近よく目にする「IoT(アイ・オー・ティー)」という言葉。近年そんなIoTが、農業の分野で活発になってきています。

IoTとは?

IoTとは「Internet Of Things」の頭文字をとった言葉で、「モノのインターネット化」のこと。

パソコンだけでなく、スマートフォン・家電・自動車などあらゆるモノがインターネットにつながることで新たな価値を生み出すことを指します。

出典編集部解説

“農業”というとどうしてもアナログな印象をもつ人が多いと思いますが、実はそんな農業にまつわる設備や機械も今ではインターネットにつながり、制御されるようになっているんです。

日本の農業人口は危機的スピードで減少

農業のIoT活用事例の前に、まずは現在の日本の農業が置かれている状況を知っておきましょう。

実は、2000年に400万人近くいた日本の農業就業人口はいまや200万人を割っています。さらにはそのうち65%が65歳以上と、農業は現代の高齢化社会を象徴しているような産業になってしまっているのです。

さらには、貿易の際の関税撤廃を目的とした「TPP」という海外との経済協定により、今後は外国産の安価な野菜が大量に国内に流れ込んでくることも予想されます。その競争の中で国内の農家は生き残っていかなければなりません。

そんな危機的状況を打破するために、政府も農業改革に力を入れています。ちなみに、いま自民党の農林部会長として頑張っているのはあの小泉進次郎氏です。

「IoT」で農業の現場はこんなにも進化している

※温室内環境遠隔モニタリングシステム『みどりクラウド』

そんな日本の農業の課題を解決する手段の1つが、冒頭で説明したIoTです。IoTにより農業設備がインターネットにつながると、たとえば以下のようなことが可能になります。

【ケース1】ビニールハウスにセンサーを取り付けてネットに接続。パソコンやスマホでどこからでも施設のコンディションをチェックしつつ、室温や水位を遠隔操作する。

【ケース2】GPSを搭載した農業用のトラクターを自動走行させ、指定した場所に適切な量の肥料や農薬を散布する。

【ケース3】ネットに接続できる万歩計を繁殖牛に装着し、データをパソコンに送信。歩数から発情の兆候をつかみ、受胎のタイミングを逃さないように管理する。

出典編集部調査

このようにIoTで農業が効率化すれば、深刻な人手不足の解消に貢献することが期待されます。また、属人的になりやすかったノウハウがデータ化されてしっかりと継承されるという効果もあります。

このようにITを駆使した農業の形は「スマート農業」とも呼ばれ、近年注目を集めています。

メルカリで野菜を販売!? ITにより流通にも革命が

出典 https://www.mercari.com

※メルカリで野菜を出品する農家が増えている

さらに、ITによって農業は生産だけでなく流通においても革命が起きようとしています。

現在、農作物が私たちの手に届くまでには、

農家 ⇒ 農協 ⇒ 卸売業者 ⇒ スーパー ⇒ 消費者

といったようにさまざまな業者が介入していますが、実は今、農家がメルカリ』などを使って農作物を直接消費者に販売するという現象が起きています。

これが流通手法として一般化するまでにはまだ時間がかかるかもしれませんが、仲介業者が減れば当然農作物の価格は安くなるので、農業改革は消費者にとっても大きなメリットをもたらします。

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日本の農業の現状とIT活用について簡単に紹介しました。

前述した効率化による人手不足の解消はもちろんのこと、インターネットの活用により「アナログでイケてない」業界のイメージが変われば、農業にチャレンジしてみたいと思う若者が増えるかもしれませんね。

私たちの生活にも影響が大きい農業の未来。政府や民間企業の改革に今後も期待したいです。

【参照資料】

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