今月3日、米・ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたコラムが話題になりました。そのコラムのタイトルは
「私の夫と結婚しませんか?」

このコラムを寄稿したのは、シカゴを拠点として活躍する絵本作家のエイミー・クラウス・ローゼンタールさん。邦訳された作品に「スプーンくん」「まめぼうやのリトル・ピー」「アヒルだってば!ウサギでしょ!」などがあります。

コラムでは『9490日の間、一つ屋根の下で一緒に暮らした経験に基づいて、ここで(夫の)ジェイソンのプロフィルを紹介します』とし、ジェイソンさんの素敵なところを綴りました。

若い息子たちが彼の服を借りるくらい服装のセンスが良くて、料理上手、ペンキ塗りもうまく、音楽が大好きで、何より優しく思いやりがある、次々に溢れ出る夫・ジェイソンさんへの賛辞。

そして「彼は恋に落ちやすい男性なんです。私の時も、たった1日でそうなりましたから」とユーモアたっぷりに2人がまだ24歳だった1989年に出会った時を回想しました。

その文章からは、エイミーさんのジェイソンさんへの温かな愛情が伝わってきます。そんな素敵な夫・最愛のパートナーであるジェイソンさんに、何故、他の女性との結婚を勧めるのでしょう?

バレンタインの日に最愛の夫に伝えたかったこと

2015年9月5日の深夜、救急で運ばれたエイミーさんは「卵巣がん」と診断されます。そして、その病状は極めて深刻なものでした。闘病を続けてきたエイミーさんでしたが、このコラムを書いている時には、自分の体が限界に近づいてきていることに気がついていたのです。コラムの最後、エイミーさんはこう綴りました。

「もっとジェイソンと一緒に過ごす時間が欲しい。もっと子どもたちと一緒に過ごしていたい。もっと木曜の夜にグリーン・ミル・ジャズ・クラブでマティーニを飲みたい。でも、それは無理。多分、地球で私という人間でいられる日は、あと数日しか残っていないから」

そして「それなのに、なぜ私はコラムなんか書いているのか?」とし、こう続けました。

「私はバレンタインの日にこれを書いています。私が本当に心から望んでいる贈り物は、彼にぴったりな人がこれを読んで、ジェイソンと出会い、新しいラブストーリーが始まること」

最愛の夫への究極のラブレター

エイミーさんは、このコラムが発表された10日後の3月13日、シカゴの自宅で卵巣がんのために51歳で亡くなりました。

夫のジェイソンさんは、NBCニュースを通じてコラムへの返事を公表しました。「このコラムは、エイミーからの素晴らしいギフトです。残念ながら、私は彼女のように文章を書く才能はありませんが、もしその才能があったなら、私が書く物語は超大作のラブ・ストーリーになるはずです。私とエイミーの愛の物語のようにね」

ユーモアと愛情あふれる文章でジェイソンさんを紹介したコラム「私の夫と結婚しませんか?」は、ネットを通じ約450万人以上の人の目に触れ「これこそ究極の愛だ」「エイミーの心は多くの人の中で生き続けるね」「感動して涙が止まらない」など、1300件以上のコメントが寄せられました。

自分の死後、残される夫を思い、彼に新しい恋が始まる事を願って書かれたエイミーさんのコラム。そこには、夫であるジェイソンさんを思う深い愛がありました。

エイミーさんの言葉を読むと、私たちが過ごす何気ない日常がどれほど大切なものなのか、かけがえのない相手と共に過ごせること、それこそが奇跡なのだということを改めて感じます。

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