記事提供:日刊SPA!

“小田原ジャンパー事件”を機にあらためて注目される生活保護。不正受給対策ばかりが叫ばれるなか、実際の受給者たちは何を思い、どのような生活を送っているのか?

◆少しずつ社会復帰を果たすもケースワーカーがパワハラを

生活に困窮しており、たとえ仕事をしていても収入が少なければ、生活を送る最低ラインへの差額は支給される生活保護。しかし、条件を満たしていても、心ない言葉に晒されるケースは少なくない。

知的障害のある20代の息子と2人暮らしの大森啓子さん(仮名・54歳)は、重度の摂食障害が続き、20年以上にわたって生活保護を受けてきた。

「ここ数年は少し症状も和らいで、昨年からは隔週でポスティングの仕事も始めたんです。本当は人と交流する仕事をしたいのですが、体力が全然ないので、2~3時間おきに休憩しないと苦しい。その条件で探すと簡単には見つかりません。ポスティングで稼ぐのは月に1万円程度です」

症状が和らぎ、仕事にも出られるようになった背景には、20歳まで施設で過ごしていた息子が家に戻ってきたこと、ペットを飼い始めたことも関係しているそうだ。

「ペットの世話をするのはやっぱり楽しいですし、動いているときは嫌なことを忘れて、“普通の人間”になれた気がします。息子とブーブー言い合える関係ができたことも幸せですね。息子も最近はスポーツセンターにだけは行けるようになりました。ただ、生活保護を受けていることは絶対に言えない。『ここに体を鍛えにくるヒマがあったら働けよ』みたいに思われますから。世間さまはそんなに甘くないんです」

生活保護での暮らしには常に恥ずかしさを感じているという大森さんだが、少しずつ社会復帰を目指してきた。

ところが、それを阻んでいるのが、昨年から新たに担当となったケースワーカーだ。

「『息子もうつ病で…』という話をしたら、『一生このまんまか』と言われたんです。ポスティングの仕事を始めたと報告しても、『もうちょっと普通の仕事できないの?』と言われました。あまりに対応がひどいので、役所にも相談したのですが、受け入れられず…。避けると、しつこく電話をかけたり、ドアを叩かれるようになって、小さな物音にビクビクするようになりました。人として見られてないのかな…って思います」

ただでさえ苦しんでいる受給者をさらに追い込むような言動は、許されるべきではない。果たして彼女の叫びは届くのだろうか?

―[生活保護]のリアル―

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