2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災から間もなく6年の歳月が経とうとしています。

3月8日に放送されたNHK朝の情報番組『あさイチ』では、「データでみる東日本大震災から6年」という特集が組まれ、震災の影響で福島のお米や魚といった食べ物が風評被害にあっていることなどが紹介されましたが、番組ゲストのくわばたりえさん(クワバタオハラ)の番組内におけるコメントが、視聴者から大きな反響を呼んでいます。

「『私は福島米食べてます』って言えない自分がいる…」

Licensed by gettyimages ®

全量検査を続け、品質性の安全が確認されているにも関わらず、消費者の購入促進に思うようにつながらず苦戦している福島県産のお米の現状。番組内で紹介された都内のあるスーパーでは、震災後の福島県産のお米の売り上げは4割減にもなるとのこと。

そんな状況やデータなどを介したVTRを視聴後、コメントを求められたくわばたさんは、複雑な表情を浮かべながら切り出します。

「いや…なんか、『私は福島米食べてます』って言えない自分もいる」

3児の母親で主婦のくわばたさんは日頃からスーパーマーケットを多用されるそうですが、最近スーパーに行った際、他のお米に比べて福島米は安く売られていたものの「購入はしなかった」とその心情を吐露。

「安いのに買わなかった」理由。それは…

『みんな買ってないんだから私も買わんとこ』っていう考えがどこかにあって…

Licensed by gettyimages ®

「なぜかと言うと、レジに一杯並んでるのに減ってなかったんです。隣の200円くらい高いお米の方が減っていた。『みんな買ってないんだから私も買わんとこ』っていう考えがどこかにあったりして…。

じゃあ、私がこのお米を躊躇なく買うには、こういう番組で『福島米すっごいみんな食べるようになりました』とか、プラスなことがあったら私も食べようって単純になるのかなって。

こういうの(特集)やってると、また更に食べんとこって思う反面、検査したらほとんど基準値全然大丈夫ですって思ってるのに、食べない人の方が多いんだって思うと、『じゃあ私も…』ってなってしまう自分がいたりとか…。」

出典『あさいち』3月8日放送特集概要「データでみる東日本大震災6年」よりご本人コメント

安くて良いものを求めるのは消費者の常。でも周囲が買っていないという状況に左右され、「私も買わないでおこう」という心理が働いたというくわばたさん。

全量検査をクリアし、おいしくて安全なものだと分かってはいても、「選んでいない人が多いという客観的な状況に流されてしまう自分がいる」と、“いち消費者”として感じた正直な気持ちをコメントされていたのですが…

主婦、3児の母視点からの彼女の本音。SNSの反応は?

Licensed by gettyimages ®

・「選ぶ基準は個人のものだし、くわばたさんみたいな意見の人もたくさんいると思うよ。だって子供に責任のある親なんだもん」

・「テレビに出てる人が仮にもそんなこと言うなっていう意見もわかるし、だけど実質福島県産物売れてないわけで、彼女と同じようにそう思って買ってない人もいるわけでしょうとも思うわけで。テレビに出て意見を言うって難しい…」

・「彼女の率直な反応は好ましく思えたし、有働さんは正義感から食べたけど、美味しいに変わったとコメント。購入のきっかけを個人の欲につなげることだよなあ」


・「発言するのは自由だけど不快。ひどいと思った」

・「福島を応援している自分としてはとても悲しくなった」


・「もの凄く丁寧に自分の気持ちに正直に分かりやすく、そしてこれからこういう報道をする番組が増えていって消費アップに繋がれば…という、願いを込めた発言と感じた。これで批判されたら何も言えない気がする」

・「思うのは勝手。買う買わないもその人の勝手。でも公共の電波でタレントが言っていいことじゃないよ」

・「たくさんお米が陳列されているなかで福島産だけ減ってない、という状況に出くわしたら、私もそう思ってしまうかもしれない…」

・「テレビでこういう意見を言うのは、勇気がいるだろうな。 有働さんも「これ見よがしの正義感で」最初に福島産を食べてみたっていってて、偽善的じゃないところに好感」

・「叩いている人が多いね。俺もどうかなぁとは思う。けど、福島産の物を買わない人が実際に多いわけだし、一般人代表と言えるのかもしれない」

・「くわばたさんがそう考える意見もごもっともだ思う。ただ福島を嫌がってるとか、そういう気持ちで言ってるわけじゃないのもわかる」

※上記はSNSに寄せられた反応の一部を紹介しています。

くわばたさんの番組内での発言に対する世間の反応をリサーチしてみたところ、「もっとも」「正論」「リアルな購買層の意見」など彼女の本音に同調する声がある一方、「ひどい」「不快」「テレビに出る人が、風評被害につながるようなことを言うべきじゃない」などの批判、叱責する声も散見。賛否両論といった印象です。

なかには安全面に関して日本政府が十分な説明をできていないのだから、それで国民が理解できるはずがないといった指摘も。

ただ一部のニュースサイトの見出しでは「福島県のお米だから買わない」と彼女があたかも発言したような、悪意を含めた印象を与えかねないものも見られました。「福島米食べてます、って言えない自分がいる」という彼女のコメントは、「福島県産だから買わない」というニュアンスで話されたわけではないと筆者は感じましたが、放送をご覧になった視聴者それぞれの解釈があるでしょう。

なお番組内では、「周囲の影響から購入しない」という気持ちに働く心理に影響したひとつに、こんな点にフォーカスしてされていました。

34.8%が「放射性物質の検査」が行なわれていることを知らない

Licensed by gettyimages ®

※写真はイメージです

番組内での調査によると「放射性物質の検査が行なわれていることを知らない」と答えた方が34.8%もいたというデータもありました。

なお『あさイチ』3月8日放送特集概要「データでみる東日本大震災6年」によると、2年前からは福島県内で収穫されたすべてのお米が国の基準値(100ベクレル/kg)以下であることが発表されています。

福島県では震災が起きた翌年の2012年度から、県内で収穫されたすべてのコメの放射性物質を調べる「全量全袋検査」を始め、これまでに5,310万点を検査してきました。2年前からはすべてのコメが国の基準値(100ベクレル/kg)を下回っています。99.99%は放射性物質が不検出という結果報告に。

震災前、福島県産米の取り引き価格は、全国平均に比べ200円ほど安い値段でしたが、震災後に大きく差が開き、1,000円以上安くなりました。去年収穫したコメは一等米の比率が特によかったのですが、それでも、およそ700円安い値で取り引きされています。

また、震災後、一般家庭で消費される福島産米は減り、業務用米として消費されることが増えたそうです。

出典 http://www1.nhk.or.jp

品質の安全性は証明済!でも苦戦を強いられているのが現状…

Licensed by gettyimages ®

産地で分け隔てなく購入する方もいれば、くわばたさんのような考え方から購入をためらう購買層だって多くいるのも事実です。とくに幼い子ども達のいる家庭において、親が我が子に食べさせる食品に対する考えやポリシーは持っていて当然。でも食品に対する正確な知識、情報といったものが、正しい形で広く消費者に伝達されるべき必要性があると感じました。

そして、“安全”だとわかっていても、それが購入へ繋がる“安心”への確信に変わる
には、人によってはまだ時間だったり、実績の積み重ねといったものが必要なのかもしれません。賛否両論を呼んだ今回のくわばたさんのコメントですが、発生から丸6年を迎えた東日本大震災について、各自が改めて感じ、学び、考えるべき機会にもなったように思えます。

お米ひとつとっても、購入者側の意見や考え方は人それぞれ。こうした「いち消費者のリアルな視点」を後ろ向きなものとばかりに捉えるより、現状の課題として前向きなものとして着目することが、進展のきっかけになっていくのかもしれません。

この記事を書いたユーザー

Hi-raku0999 このユーザーの他の記事を見る

ヘタクソなくせに執筆もします。読み手の発見、驚き、笑顔へつながる内容を心がけています。

得意ジャンル
  • インテリア
  • マネー
  • 動物
  • 海外旅行
  • 国内旅行
  • おでかけ
  • グルメ
  • 料理
  • テレビ
  • 恋愛
  • 美容、健康
  • ファッション
  • キャリア
  • おもしろ
  • ニュース
  • 話題
  • 音楽
  • スポーツ
  • 社会問題
  • ライフハック
  • インターネット
  • 育児
  • 広告
  • ゲーム
  • 暮らし
  • エンタメ
  • カルチャー
  • コラム
  • 感動

権利侵害申告はこちら