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『不登校の17歳。出席日数ギリギリ日記』(青木光恵/KADOKAWA)

不登校の娘ちゅんこさんが、いじめや、体調不良、頼りない担任、内申点ゼロなど、さまざまな困難を乗り越えて高校に進学するまでを描いたコミックエッセイ『中学なんていらない。不登校の娘が高校に合格するまで』(青木光恵/KADOKAWA メディアファクトリー)。

その続編『不登校の17歳。出席日数ギリギリ日記』(青木光恵/KADOKAWA)が3月2日に発売された。

前作は、不登校から高校進学までの親子の奮闘が描かれていたが、今作では、不登校から大学進学までの親子の奮闘、そして、少し大人になったちゅんこさんの姿が描かれている。

本作は、苦難の末ようやく高校へ入学したけれど、クラスの雰囲気に馴染めず、少しずつ学校を休みはじめるちゅんこさんの姿からはじまる。

中学と変わらず不登校寸前のちゅんこさん。そんな彼女に追いうちをかけたのが、椅子にボンドを塗ったり、実習で育てていた野菜の苗を抜いたり、といった男子によるいじめ。中学の時とは違い、いじめた子も、その親もすぐに謝罪をしてきた。

しかし謝られたからといって、心に受けたダメージがなくなるわけではない。ちゅんこさんは学校へ行くのが更に億劫になってしまう。

と、ここまでは、前作と大きく変わりはない。しかし、ここからのちゅんこさんは、中学時代と大きく違っていた。

大学に行きたいなら、高校を辞めて大検を受けてもいいと言う母に対して、「休学も退学もしたくない。せっかく高校入れたんだから、何とか通って卒業したい」と言うちゅんこさん。

自分なりの目標を持ったちゅんこさんは、学校と話し合いながら、別室登校をさせてもらったり、実習を一人でさせてもらったりと、なんとか自分のペースで学校へと通い続ける。

それは、決して、中学と違い、学校の理解があったからというだけではない。辛いながらも“大学へ進学したい”という強い気持ちをちゅんこさんが抱いていたからだ。

また、中学と違うのは、初めてのバイト挑戦や、親友を作って部活をエンジョイするなど、さまざまなコミュニティで自分の居場所を見つけ、生き生きと自分らしく生活している姿が見られるところ。

前作を読んだ人は、ちゅんこさんの成長にきっと驚くに違いない。

その他、本作では出席日数が足りないうえでの入試や、貯金ゼロからの学費念出問題など、親子で立ち向かっていく姿も多く見られる。

ちゅんこさんの成長だけではなく、問題を乗りえるたびにたくましくなる両親も頼もしく、前作までは本当に高校に行けるのかと、読んでいるほうもドキドキしたが、今作はこの親子ならきっと乗り越えられると安心して読み進めることができる。

また、本編に時折登場するすっかり大人っぽくなった、大学生のちゅんこさんの姿を見られるのも、前作からの読者にはうれしいのではないだろうか。

まだ、大学生ということで、自立を果たしたわけではないが、卒業後もなんとかうまくやっていけそうな気配を感じさせる。子供がいない筆者も、ちゅんこさんの成長ぶりに、すっかり母のような気分で読み進めてしまった。

大人への道を歩むちゅんこさんの姿を描く本作、不登校児を持つ親だけではなく、お子さんを持つ誰もが共感できる内容ではないだろうか。

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