私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介する当シリーズ。

前回の「ミントタブレットのシェア争い」に続き、今回取り上げるのはコンビニの闇の部分でもある、「店vs万引き犯」の壮絶なる戦い。実は、コンビニ内には想像以上の台数のカメラが設置されているって、ご存知でしたか?

棚卸ロスの大半を占める「万引き」

コンビニにおける商品ロスには、お弁当やおにぎりなどの廃棄ロスと、万引き被害などによる棚卸ロスが大きくあります。コンビニは大半の店舗がフランチャイズ店ですが、その場合のロスは一部の本部負担もあるものの、ほとんど加盟店側が負担します。

棚卸ロスの金額は店舗によって様々です。各店舗では3ヶ月に一度商品棚卸作業を実施し、3か月間に商品がどれだけ店舗から無くなったのかを判定します。

なお、帳簿上(理論在庫と呼びます)の在庫金額とのズレは、0.003%以下となるように目指しています。

棚卸ロスの原因には、正しく商品納品処理を行わなかったり、本来廃棄登録をすべき処理を怠ったり、商品を無くしたりなどもありますが、やはり大部分を占めるのが万引き被害によるもの

ちなみに万引きされやすい商品としては、「雑誌」「携帯電話用電池」「たばこ」「お酒」などが挙げられますが、なかには「弁当」「おにぎり」なども万引きされてしまうことがあります。

そんな棚卸ロスの大半を占める万引きの根絶を目指すべく、コンビニ側は様々な対策を行っています。

①防犯カメラの設置台数を増やす
②レジからの死角に防犯ミラーを設置する
③来店したお客さんと目を合わせて「いらっしゃいませ」と声掛けする

出典 http://www.mag2.com

なかでも、万引きの抑止に欠かせないものといえば、防犯カメラではないでしょうか。

開店当日に万引き…その時、店長は?

筆者は以前とある店舗で、防犯カメラがどう設置されているのか確認させていただいたことがあるのですが、その店内には16台のカメラにくわえ、3台のピンホールカメラがありました。

なおカメラは、ズームや位置変更などができる可動式(360度対応)でした。

映像はリアルタイムで事務所にあるモニターに映され、店長はほとんど一日中その映像を確認しながら仕事をしていました。この防犯カメラシステムですが、インターネットでも共有できるため、店長は自宅でも映像を確認しているとのことでした。

またコンビニ側では、いわゆる「万引き常習犯」を把握しており、店舗によっては防犯カメラに映った万引き犯の姿をプリントアウトして、バックルームに掲出することで店員に注意喚起をしています。

さて、そんな万引き常習犯が入店すると、従業員たちは密かに合図しあって、警戒モードに入ります。店内にいる従業員たちは、棚の整理などをしながら、対象の人物をさりげなく観察

いっぽうで事務所に下がった店長は、防犯カメラのモニターの前に陣取り、対象の人物が動くたびにカメラアングルを動かしたり映像を拡大しつつ、「いつヤルのか?」を固唾を飲んで見守ります。

もし問題なくお買い物をして帰ってもらえれば、ほっと一安心。しかし怪しい行動をとった場合は、店を出るまで密着マンツーマンディフェンスとなります。

ただ、犯行の瞬間をしっかり確認したとしても、泣く泣く見逃してしまうことも。

とある店舗では、なんと新規開業した当日に万引きをされてしまい、店長もその場で声をかけて事情聴取をしようかと何度も思ったものの、初日からそんな嫌なことをして験が悪いことになったら…と考えて、見逃してしまったとのことです。

ちなみにその万引き犯は、後日再びその店で犯行に及び、店長もその時は迷いなく確保したそうです。

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