記事提供:日刊SPA!

三輪さんは警察に被害届を出し、自宅に鑑識も入ったが犯人はいまだ見つかっていない。

2月21日、警視庁は東京・狛江市で一人暮らしをする女性宅に侵入し、盗撮カメラを仕掛けた男の映像を公開した。男は合鍵を使うなどして女性宅に侵入し、洗濯機のホースの中に小型カメラを仕掛け、女性の裸体を盗撮したと見られる。

◆盗撮被害に見られる地理学的背景

女性宅に侵入し、カメラを仕掛けるという犯人の大胆な手口に驚いた者も多いだろうが、「今回の事件には地理学的背景が隠れている」と語るのは性犯罪に詳しい雑誌記者A氏(31歳・男性)だ。

「盗撮被害にあったことがある女性に取材してわかったのは、港区や目黒区、渋谷区などの都心部よりも大田区や練馬区、川崎市や志木市、和光市など都心近郊に住んでいる女性が多いということ。彼女たちは給与の手取りが17万円前後と安いため、このエリアの家賃が安い物件を選ばざるを得ない。築年数も20数年と古く、セキュリティも脆弱な物件が狙われています。そういうアパートは、盗撮犯にとっては最高の物件になります」(A氏)

◆盗撮被害にあった月収17万円OLのリアル

今回、日刊SPA!取材班は過去、自宅アパートに侵入され盗撮被害にあったという女性から話を聞くことができた。

三輪桂子さん(26歳・仮名・大田区在住・事務職)は、昨年自宅アパートで見知らぬ男に侵入され、盗撮被害にあった一人だ。

事件が起きたのは深夜2時。その日は飲み会で酔っ払っていた三輪さんは、スカートを履いたままロフトベッドで寝てしまっていた。しばらくすると、足元のロフトベッド下からガサゴソと物音が聞こえた。

その音に気づいて起きると、なんと目の前にはスマホをスカートの中に入れて盗撮している30代前後の男性の人影が見えたのだ。

急いで起き、ロフトから降りようとした三輪さんだったが、男は走って逃げ去ってしまった。

「部屋の鍵をたまに開けていることがありました。それで侵入経路を作られていたのかもしれません。自業自得だと言えばそれまでですが、一番怖かったのは、盗撮犯と遭遇した数週間後の出来事。ふと、シャワーあがりに玄関を見たら、玄関のドアに隙間が空いていてそこから前に会った男が覗いていたのです。それまでも深夜に階段で物音がすることがありましたが、まさかそれが盗撮犯だったとは…」

すぐに三輪さんは警察に通報。現場に鑑識官も訪れて指紋も採ったというが、事件から1年以上経った今も犯人は見つかっていないという。

もっとセキュリティの高いマンションに引っ越せば被害が防げたのではないか、という記者の疑問に対し、三輪さんは次のように答えた。

「私のような一般職の女性は、月の手取りが17万円以下。大学の奨学金も返さなければいけないし、家賃を抑えるために都心ではなく大田区の駅徒歩16分のアパートに住まざるを得ないんです。私の家はオートロックも何もない学生アパートみたいな物件。前は職場の社宅に住んでいたのですが、そこも築30年以上たったボロアパートで、下着泥棒被害もよくありました」(三輪さん)

◆性犯罪被害にも格差社会の波が

会社からの住宅補助もなく、少ない給与でやりくりする一般職や派遣の女性。彼女たちがもっとも盗撮被害にあいやすいとすれば、「性犯罪被害の格差社会」が広がっていると言えるかもしれない。

給与が安いOLほど、郊外の駅から離れた物件に住むため、路上痴漢に遭うリスクが高まる。また、満員電車に揺られて通勤するため痴漢被害にも遭いやすい。家賃5万円程度のボロアパートのセキュリティは脆弱だ。

まさに三輪さんはこの条件に当てはまる女性だった。

警視庁が先日公開した映像も、狛江市でひとり暮らしをする女性だった。「都心ではなく、家賃の安いアパートが多い郊外のほうが盗撮犯に狙われるのでは」という仮説も、ある意味当たっているのかもしれない。

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