候補者全員が「食事ぐらいは賭けたことある」

平日の昼に副市長と賭けマージャンをしていたことが問題となった福岡県飯塚市の斉藤守史市長の辞任騒動。新たな市長を選出する福岡県飯塚市長選が2月19日に告示され、無所属新人の元市教育長、片峯誠氏(60)が26日の投票で新たに当選しました。

毎日新聞によると、立候補者たちは過去の賭けマージャン歴まで問われる異例の展開でした。3人の候補者はそれぞれに「食事代くらいを賭けてやったことはあった」「学生時代にラーメンを賭けたことはあった」などと告白しているそうです。

騒動の当事者である斎藤元市長は事件発覚後、「賭けなかったら(世間で)マージャンをする人がどれくらいになるのか?」などと開き直った発言をして批判を浴び、さらに問題を悪化させて引責辞任となりました。

そもそも、この行為は違法なのでしょうか?

ポイントは「一時の娯楽に供する物」かどうか?

賭博行為およびその罰則については、刑法第185条〈単純賭博罪〉に記述があります。

賭け行為が犯罪に当たるかどうかの分かれ目は、この「一時の娯楽に供する物」という一節をどう解釈するかが重要なポイントとなりそうです。

「一時の娯楽に供する物」。一読するとわかりにくいですが、“娯楽に供する(役立つ)ものとしてすぐに楽しめて、あとに残らないもの”とでも解釈すればいいのでしょうか? 主に下記2つのポイントが判断基準となります。

・高価なものでないこと
・すぐに使ったり、食べたりして用途が終わるもの

ざっくり言ってしまうと、高級時計や宝飾類などのように資産的な価値がないもの。かつすぐ消費できてしまうもの。食事やお菓子などがこれに当たると解されています。今回の候補者の場合はどうでしょう?

ラーメンを賭けて麻雀した場合は問題なし

その場で食べて消費されてしまう食事やお菓子などは、「一時の娯楽に供するもの」に当たると解釈されています。したがって、「一時の娯楽」であるラーメンを賭けての麻雀は問題ありません。

食事代金を賭けて麻雀した場合は問題あり

食事代に使うつもりだったとしても、その場で直接お金を賭けて麻雀をした場合は「一時の娯楽に供するもの」となりません。お金の大小は関係なく、たとえ数百円であっても違法ということになります。

ただし、現在の日本の現状では、こうした少額、かつ個人レベルの賭けごとのすべてを捜査して実態を把握することは難しく、賭博罪で検挙されることはまずありません。

賭博行為のもっとも重い罪は「懲役5年」

それでは賭博行為で検挙された場合、どの程度の罪となるのでしょうか?

刑法で違法となる賭博行為は
〈単純賭博罪〉〈常習賭博罪〉〈賭博場開帳等図利罪〉
の3つの段階があります。

それぞれ


刑法185条〈単純賭博罪〉=常習性はなく、出来心でやってしまった
→50万円以下の罰金

刑法186条1項〈常習賭博罪〉=取り調べなどで常習犯とわかる
→3年以下の懲役刑

刑法186条2項〈賭博場開帳等図利罪〉=賭博場を開き人を集めて利益を得る
→3ヶ月以上5年以下の懲役刑


賭博でもっとも重罪となるのが、賭博場を開き、人を集めて賭博による利益を得る〈賭博場開帳等図利罪〉です。

ただし、雀荘などが、この罪で実際に摘発されることはそれほど多くはないようです。

反社会的組織(暴力団など)の資金源になっているのではないかと目をつけられ、警察が特定の地域を一斉に摘発するといったケースもありますが、その場合でも客まで〈単純賭博罪〉や〈常習賭博罪〉に問われるケースは稀です。

麻雀そのものに悪いイメージを持つべきではない

麻雀は戦術を競い合う知的ゲームであり、国民の娯楽としての長い歴史も人気もあります。

今回の飯塚市長選騒動は麻雀そのものが問題視されたのではなく、(特定の定められた勤務時間はなかったとの弁解があるものの)公人が平日の昼から賭けマージャンに勤しむ態度や、その後の開き直ったような発言の数々に批判が集まったといえるでしょう。

何事もほどほどに。時と場所を考えてゲームに興じることが、麻雀に限らず楽しい時間をすごす秘訣となりそうです。

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