10年前にミリオンセラーとなった『鏡の法則』をご存じだろうか。9割の人が涙なしでは読めなかったという主婦の実話は、今なお共感を得るものだ。

『完全版 鏡の法則』(野口嘉則〈のぐち・よしのり〉/サンマーク出版)は、『鏡の法則』で大反響を呼んだ実話に、わかりやすい解説を加え大幅に加筆修正したものだ。

著者の野口嘉則氏は「家族関係」と「自己実現」の専門家であり、たくさんのコーチングやカウンセリングの経験により、「鏡の法則」の有効性を確認してきたという。

鏡の法則とは、「人生は自分の心を映し出す鏡」という考え方だ。不満ばかり抱いていると、その心を映し出すようにますます不満の多い人生になってくる。感謝することが多いと、さらに感謝する出来事が起きて感謝に溢れた人生になる。

つまり自分の心の波長に合った出来事が起きてくるということなのだ。この法則は、仏教の因果応報という考え方や、世界の伝統的な宗教、東洋哲学の教えに見られるものだそう。

主人公は、小学校5年生の息子がいじめにあっていることで悩んでいる主婦の栄子。カウンセラーは栄子に、「鏡の法則」から導き出した仮説を話す。

「自分の大事な子どもが人から責められ、そのことで自分が悩んでいることを結果だとしたら、あなたは大切にするべき人を責めてしまっていないか?」

父親に対して、子供の頃からずっと「ゆるせない」感情を持っていた栄子は、息子のいじめと関係があるのか?と戸惑いながらも、カウンセラーの教えどおりに、父への気持ちを吐き出す作業をしていく。

すると父の愛情と苦しみに気づくのだ。栄子の心の有り様が変わってくると、驚くことに息子のいじめ問題も解決の方向をみせてくる。

「ゆるせない」という相手への怒りの感情を押し込め、被害者であり続けると、怒りのエネルギーは、自責の念や自己嫌悪という形で自分に向かってくるという。

「ゆるす」ことで、過去の出来事にとらわれている自分を解放し、やすらぎと精神的な自由を得ることができるのだ。辛い気持ちを抱えている人は、ぜひ「ゆるす」ことは自分のためなのだと知り「ゆるすための8つのステップ」を試してほしいと思う。

本書には、親子の良好な関係の作り方についても詳しく書かれている。作今、問題となっている親子の距離について、親からの愛情にゆるぎないものを感じている子どもは、自立し親から離れていくものだと著者は述べる。

「自分に解決できない問題は起こらない。しかもこの問題は、大切なことに気づかせてくれるものであり、その気づきにより、さらに幸せな人生を築いていける」

出典『完全版 鏡の法則』

そう本書は教えてくれる。解決の糸口は自分の中に見えてくるはずなのだ。鏡の法則を知ると、どんな問題にも立ち向かえる勇気がわいてくる。

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