日本の教育にかける予算は壊滅的に少ない

長谷川豊です。

私は地元の小学校のPTAの会長をしているのですが、最近のネットでPTAのことをかなり誤解してらっしゃる保護者の方や、ただ文句を書き連ねているだけの記事が目立つ気がします。

私がニューヨークから帰国した後、迷わず千葉県の今住んでいる今の学区を選択した理由をお話ししようと思います。

現在私の子供たちが通っている小学校は日本トップクラスの子供たちへのケアを実践している学校です。もちろんわれわれ保護者も先生方には全幅の信頼を置いています。

しかし、その先生方の労働力に対し、本当に見合うだけの賃金が支払われているのかは、疑問です。行政は教育に回す予算をなかなか改善してくれません。日本の教育関係に回す予算は、残念ながら壊滅的な少なさです。

色々なデータとともに検証が出来るのですが、まとまっている記事がこちらです。

記事内にもあるように日本はOECD加盟国で「教育」にかける予算がほぼ最低です。日本は「子供たちに全然お金をかけようとしない国」です。

私が先だって次期衆院選に挑戦する意思を表明したことは多くのメディアに取り上げていただきましたが、私がもし政治家になれた場合、1丁目1番地は「子供たちの教育に予算をもっと割いてあげたい」という思いを実現したいと思っています。(日本でそれを「実践している」のが「日本維新の会」だけだったので、私は維新を選びました。橋下徹さんの影響ですかね…)

ただ、私が政治家になる・ならないに関わらず、学校の先生方の給与面は、どの政党であっても改善していってほしいと1人のPTA会長として痛切に願います。

まさに民間企業並みのデータ分析。磯辺第三小学校の取り組み

出典磯辺第三小学校HPより

さて、私の子供たちが通っているのは千葉市美浜区にある磯辺第三小学校です。千葉の人間には比較的知られた存在で、近所では有名な小学校です。

先日、PTA会長として出席した「保健委員会会議」の内容をSpotlight読者の皆様方に少しお話ししましょう。

まず、校長・教頭先生をはじめ、学校の全教師と保護者会の会長・副会長が図書室の会議スペースに集まり、会議スタートです。

まず保健の分野に関しては、

「正しく食器を置いている」
「あさは食欲がある」
「歯は3回磨いている」
「毎日うんちが出る」

など、35項目を6月と2月に調査。各学年ごとに4段階に振り分け、数値が改善できている分野、横ばいの分野、改善が必要な分野を数値化しています。全項目は数百に及びます。それらをもとに欠席状況やその原因の分析、改善できなかった場合はその原因の推察まで、細かい報告が上がってきます。

続いての報告は給食。給食はこの学校の有名なポイントの1つです。専門の「栄養職員」の先生がこちらも完全に栄養バランスのとれた食事を提供してくれるだけではなく、どれだけ食べきったかのデータを「喫食率(きっしょくりつ)」として毎月ごとのデータをまとめてくれています

この小学校ではご飯よりもパンの方が喫食率が高く、気温が上がる7月は喫食率が下がる傾向があることなど、われわれ保護者にも分かりやすいデータが示されます。つまり、7月や8月は胃に優しいメニューを家庭でも心がければいいことが理解できます。

「子供たちに給食をもっと楽しんでもらいたい」という思いから、この学校では季節ごとの行事食・郷土料理や千葉県産のものだけで調理した千葉メニューが次々と出されてます。

今年は「世界のいも料理」と題してエチオピアやベラルーシの「おいも料理」をふるまいながら、世界の文化に接する授業が食を通じて行われます。(来年度は世界の郷土料理になる予定)

最後は体力面のケアです。

こちらも半年ごとの子供たちのデータを正確に分析してくれています。「握力」「シャトルラン」「50メートル走」に水泳や鉄棒など、半年前と現在のデータを分析しています。向上したデータを赤字・減退したデータは紫に色分けしてくれているので、われわれ保護者もパッと見た瞬間に何が起きているのかとてもよく分かります

鉄棒の合格率が全校的に比較的下がっているというデータから、「次は休み時間などで、先生方に鉄棒周辺に行って積極的に一緒に遊んであげてみてください」といった指導が行われます。

ちなみにこの小学校の5年生たちは、千葉県の平均データの全項目を上回っています。これは県内でもわずか5校しかありません。

学校側の姿勢が保護者の積極性を引き出す

これらは千葉県でも最高の環境の小学校の1つと言われる磯辺第三小学校の取り組みの、あくまで1つです。

分かるのは、IT企業など一般の株式会社で取り入れられている「データ分析」を教育に応用した取り組みがなされていることです。

細かいファクトチェックを繰り返し「こういう傾向がある」ということを正確に分析。次につなげる姿勢は、サラリーマン教師と言われる先生方には全くマネできない姿勢です。

そして、先生方がここまでやってくださると、保護者も真剣に向き合うことになります。もちろん、一部メディアで取り上げられているような「給食費の未納問題」などは皆無です。むしろ、もう少しお金払ってもいい気分。

運動会などには父親の大半が積極的に参加し、後片付けなどはむしろ父親がほとんどすべての力作業を担います。それらの姿勢を子供たちが見てくれます。

地域の雰囲気がいいことは周辺住民の誇りにもなります。千葉県は交通事故死亡者数が毎年非常に多く、去年も全47都道府県でワースト2位という実に不名誉なデータを叩きだしています。

しかし、この学区はリタイアした後の高齢者の方々が中心となって「セーフティウォッチャー」といって完全ボランティアでそれぞれの交差点に朝から立ってくれる方々が結成されています。

この3年間、当学区では交通事故発生件数がなんと「0件」です。行政はこの住民たちに甘えていてはいけないような気もしますが、これは千葉県内では驚きの数値です。もちろん、小学校では先日もそのセーフティウォッチャーさんを体育館に呼び、感謝の会を子供たちが行いました。これらがこの学校では日常の光景となっているのです。

PTAの優れた取り組みにも注目すべき

教育の問題がいろんな場所で取り上げられているのですが、そもそもこれらは「保護者」「先生方」「地域住民」のトライアングルが全部うまく回って、やっといい形に結びついていくものです。どれか1つだけが頑張っても絶対にうまくいかないのです。

我々PTAはまさにその保護者や先生方を結びつける取り組みをしているのですが、最近のネットではそのPTAをかなり誤解して軽んじている書き込みやネットニュースが散見されます。

恐らくそれらの書き込みをしている方々は、そもそも積極的に取り組んでいらっしゃらないのではないでしょうか?子供たちのために一生懸命取り組みさえすれば、その経験は必ず自らのビジネスにも役に立ちますし、子供たちも笑顔になるだけではなく、地域の活性化につなげられるのです。

いやいやな姿勢で「やれ」と言われたことをやっているだけでは、恐らくムダに感じるでしょうし、労力をすり減らすだけでしょう。

少なくとも、私の子供たちの通う小学校の先生方は周囲の住民からリスペクトをされていますし、その先生方を支えようと、周囲も手を貸す流れが出来ています。そして、その流れは確かに子供たちに受け継がれ、きっと子供たちも、その子供たちに優しくしてくれる大人に育ってくれることでしょう。そんないい流れを産み出すためにも、学校の先生という職業にももっと予算を回し、人材を増やし、現在の給与面を見直す必要があるように思うのです。

日本全国には、きっと私たちの小学校よりも素晴らしい取り組みをしているところもあることでしょう。マスコミもPTAの悪口を取り上げることもいいのですが、たまにはこうした「優れた取り組み」も取り上げていってほしいと思います。


日本維新の会/千葉県第1選挙区支部長
長谷川 豊

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モノ申すフリーアナウンサーとして、テレビ・雑誌・講演と幅広い分野で活躍中。特に多くの取材経験からニュースを多角的な視点で見る文章に定評がある。現在は執筆や講演会など多方面で活躍中。

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